ポーカーフェイスが裏腹に

 「寺町くんも好きなんか?

かぜ。」

まるで、やっと仲間に出会えたとでも言うような口ぶりで言う三島。

「いや別に。」

三島いま「も」っつったか!

もし、もし言葉通りなら…。

語りあおうぜよ!!

だが僕は、なんて興奮してしまっている

気分を必死におさえる。

ここはお前のお得意のポーカーフェイスだ!

寺町明!!

 しかし僕が目をつけられないがため行ったこの我慢は、直に僕を苦しめる事になる。

「うっわ。

なんだアイツ。」

「マジ最悪なやつやんか。

せっかく美舞があんな雑魚に

構ってやったつーのにさ。」

「マジKYじゃん。」

なんだよぉーー。

おれは必死に気ぃ遣ったんだよぉー。

おれのポーカーフェイスが裏腹に…

 ヒっ!!!、

いきなり近くからガラスが割れたような

音がした。

三島だった。

「寺町くん、悪気ないから!

もう。もうやめなや!!」

思い切りガラスのコップをテーブルに

叩きつけたようだった。

「ごめんやてー美馬♪」

「うちら美馬大好きやから

むきになってもうたんやー。」

「許してやー。」

「ごめん!

なんか…。

こんなとこでコップ割るとか

うちどなんしたんやろ…。

まじごめん。」

「大丈夫やー」

「でも寺町くん悪くいうなやー?」

「気をつけるよーん♪」

どうやら三島の機転で一件落着したらしい。

だが…、なんだろう。

このよくわからない異様な雰囲気は。

「めちゃくちゃ意外なんやけど!」

「なんで寺町ー?!」

「大スクープやないの!」

噂好きの集まり。福田、桐島、矢野。

…僕が大スクープでめちゃくちゃ意外。

?。??なんのことだ?!

まったく想像もつかないー!!

やばい。、

これが、時代の遅れというものか。

よし!

家帰ってテレビ見よー。

久しぶりだなー

今日はなにもかも忘れて早く帰ろーっと。

 「待って。寺町くん。ごめんなさい。

気悪くさせたよね。

でも…、。私が言える事じゃ無いけど、

私、寺町くんだけには嫌われたくない!」


・・・えーーーづ!


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