3.入学と出会い

両親と合流した僕はそのまま入学式へと向かった。今年の入学生は多いようで、校内には800人近くの新入生がいた。入学生は前方、保護者は後方に座ることになっているが、席の指定は無かったため、両親と分かれた僕は目立たない端の方に座ることにした。


「はじめまして!私はミア。あなたは?ねえねえ、きいてる?」


僕が座るとすぐに隣に座っていた女の子が話しかけてきた。最初は僕に言っていることに気づかなかったが、何度も声をかけられてようやく僕に声をかけていることに気づいた。やけに元気な子だな、と思った僕がそちらを向くと、その子はとても嬉しそうに顔をほころばせた。


「やっと気づいた〜。あたしはミア。 あなたは?」


そう話す彼女の頭には犬のような耳がついていて、初めて見る僕でもすぐに犬系の獣人であることが分かった。


「ボクはミレイアだよ。よろしくね。」


「うん、よろしく!ところで君はどのクラスなの?私はね、Aクラスだよ!」


「そうなの?ボクもだよ。」


「ほんとに!?知ってる人いなくて不安だったんだ。一緒に頑張ろうね。」


「うん、頑張ろう。」


式が始まるまではまだ時間があったので、二人で他愛のない話をした。ミアの故郷はかなり遠く、馬車だと学園まで数週間かかるそうだ。ミアは三つ子の真ん中だそうで、姉は武術、妹は学術学校に、通っているそうだ。


ミアのことを聞いたり、僕のことを話したりしていると入学式が始まった。式中は何か特別なことが起こるわけでもなく、日本と同じようにいろんな人の話を聞いているうちに入学式が終わった。

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