その2

僕は気づいたらその場所にいて次の瞬間には目の前に女の人が立っていた。とても綺麗なのに決して好きになれないようなまるで作りものであるかのような彼女に僕は心の底から恐怖し逃げ出しうとした。けど、僕が逃げ出す直前に彼女は僕に話しかけてきた。


「ちょっと待って!逃げないで!」


さっきまでの恐怖が消えてなくなるくらいフランクな感じで。その反応にある意味拍子抜けした僕は話を聞くことにした。


「あの、なんでしょうか?僕気づいたらここにいて…。」


「それなら私が呼んだんだよ。あのままだったら君は死ぬことになってたから。」


その女の人が言うには、彼女はいわゆる女神で今日死ぬはずだった僕の因果を回避するためにここに呼んだということらしい。異世界に転生、つまり生まれ直すことで無理矢理回避するらしい。なんで僕の死を回避させようとしたのかに関しては気まぐれだと言う。


「でも、急に僕が消えたら友達とかお父さんが心配するかも…。」


「ああそれは大丈夫。なんにも気にしてないから。とは言っても記憶から消えてるとかじゃなくて、そうなることが自然に感じるようにしたというかそんな感じだから心配しないでね。」

「それでさ、君の死を回避するために今から異世界に送るんだけど。普通の輪廻に組み込まれるところを無理矢理外したわけだからお詫びとして君のデータ?というかそんな感じのヤツを自分で弄らせてあげるよ。ゲームで言うところのスキルポイントって感じかな。他にも種族とかも多分変えられる。君は振り分けるポイントが多いからね。かなり強くなれるよ。」


「えっと…?一気に話されても理解が追いつかな「これでいい?」」


そう言われた瞬間で僕の頭の中に情報が流れ込んできた。地球で僕の扱いがどうなっているか、転送される世界はどんな感じか、ステータスについてなども完全に理解出来た。


「予想はしてましたけど魔法あるんですね。それも使えるようにできるんですよね?」


「もちろん!早速ポイント振り分け的なこと始めるね。」


振り分けることが出来るステータスは素早さ、防御力、攻撃力、魔力の4種にそれぞれ最大100まで、それとスキルを1つにつき最大10ポイント(保有ポイント数は魂の質?とかいうもので決まるらしい)振り分けることが出来る。そうして決まった僕のステータスがこれだ。


────────────────────

素早さ:100

攻撃力:0

防御力:100

魔力:100

女子力:100

スキル

魔力操作10、魔力自動回復10、体力自動回復10、成長率上昇10、成長速度上昇10、運気上昇10、全属性魔法10、調査10

────────────────────


何故か攻撃力は一つも上がらなかった。普通なら上げられないなんてことは無いらしいけど僕は男らしくなれないのかな?全く振り分けてないはずの女子力が何故か100になってるし…。


「振り分け終わったよね?もうちょっとで異世界に転生することになるから。最後に選別として『神託10』を付与するから。このスキルがあれば1日1回まで私と会話できるよ。」


だんだんと意識が遠のく中


「では良い異世界を。」


と言う彼女の言葉を最後に僕は異世界へと旅立った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る