第2話

ラグ・クラウドの歴史。

当たり前で、チープなことしか書き綴られていない歴史書が開かれた。




歴何年に始まり〜…なんていうのはテンプレートからの引用。

概要だけ取り出す。




①ラグ・クラウドは世界の名前




ということは、国名や地名は別にあるということ。

「ラナテラ」と「サエル」の衝突、「ニワイ」の名所など、国や地名は数え切れないほど羅列されている。

ただ、『選択』していないせいで現在地がどこかははっきりしていない。




②『食料』となるもの以外は知能を持つ可能性を有す




例えばサポーターの直也のように猫や植物、物体が喋ることもありえるのだろう。

飽くまで自分の都合がいいように、ではあるようだが。




③超常的な能力は有効




これは自分が有利になるためには必要不可欠だ。『他者との比較』において一番分かり易い。勇者と呼ばれる人間がただのなんの力もないのでは魔王は倒せない、村人Aが大魔法使いなら話は違う方向に行ってしまう。

そういう概念的な話ではあるのだろう。




④■■■は存在




幾ら目を凝らしても、■は文字情報と成らず、モザイクの掛かった『何か』としてしか認識できない。

望んだ世界でも、分からない情報が存在するらしい。




⑤■■■■■■■■■■■■■■■






概念だけ取り出した筈が、⑤から先は認識不可能となっていた。

今の自分には必要のない情報なのか、これから『選択』していくことにより明示されていくのか、はたまた謎として核心をついて行くものなのかもしれない。





これがこれから■■■していくまでの俺の世界。

「………?」

「どうしました、マスター。情報についてエラーが発生しましたか?」

直也が不思議そうに首を傾げるが、こちらも同じように首を傾げてしまう。




これは、俺の夢であり、既に現実となった世界。

通常ならば「産まれて死ぬまで」の世界のはずだが、最期が「認識できない」。




始まってもいないのに終わりを認識するなというのであればいいが、何かが引っかかる。





そうはいうものの、やはりできる事は限られる。時間は有限でもなければ無限でもない。





進もう。それが今の『選択』だ。

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