次、下仁田いくか。


「あのさ、下仁田っている?」

廊下にいた女の子に話しかけると「下仁田クン?」って、ちょっとだけ恥ずかしそう。あれれ、ほっぺ赤くなった? 

オレも罪な男だよなー。話しかけただけだぜ? ま、実力?


ぱたぱた

女の子がかわいく小走り。

「下仁田クン、お客様♪」


戸口から教室を覗いていると、振り向いたのは長身のメガネイケメン。

え? ハーフ?


「さんきゅ」と下仁田が女の子に礼を言うと、女の子はまた赤くなる。

オレの実力じゃなかったのか。


 開け放たれた窓から風が吹き、下仁田のくるくるとウエーブした明るい茶髪が風に舞う。いちいち絵になるぜ。


「うぃぃ。高橋だけど」

オレが照れてどーする。いやー、そんな整った顔が至近距離にあると、緊張するし。

「うぃぃぃぃ。

 君もソイル国に行くって? 岳ちゃんからLINEあったとこ。

 僕、下仁田ジョージ。よろしくー」

「おう。よろしくー」


「ま、イスラム圏じゃなかっただけでも、ありがたいよな」

とだるそうに下仁田。

「イスラム圏?」

「女の子なんて、布の下だぜ? シカゴだったらさー、夏だしさー、

 露出度高めで女の子は積極的だろーけど。

 ソイル国ってどーなんだろ?」

あらら。外見は王子様だけど、中身はオレと一緒じゃん。

「そこはオレ、あんま、期待してねーけど」

「しゃーないよな」


おい、下ネタ、おっと下仁田。外見とのギャップがありすぎだろ。

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