④
次、下仁田いくか。
「あのさ、下仁田っている?」
廊下にいた女の子に話しかけると「下仁田クン?」って、ちょっとだけ恥ずかしそう。あれれ、ほっぺ赤くなった?
オレも罪な男だよなー。話しかけただけだぜ? ま、実力?
ぱたぱた
女の子がかわいく小走り。
「下仁田クン、お客様♪」
戸口から教室を覗いていると、振り向いたのは長身のメガネイケメン。
え? ハーフ?
「さんきゅ」と下仁田が女の子に礼を言うと、女の子はまた赤くなる。
オレの実力じゃなかったのか。
開け放たれた窓から風が吹き、下仁田のくるくるとウエーブした明るい茶髪が風に舞う。いちいち絵になるぜ。
「うぃぃ。高橋だけど」
オレが照れてどーする。いやー、そんな整った顔が至近距離にあると、緊張するし。
「うぃぃぃぃ。
君もソイル国に行くって? 岳ちゃんからLINEあったとこ。
僕、下仁田ジョージ。よろしくー」
「おう。よろしくー」
「ま、イスラム圏じゃなかっただけでも、ありがたいよな」
とだるそうに下仁田。
「イスラム圏?」
「女の子なんて、布の下だぜ? シカゴだったらさー、夏だしさー、
露出度高めで女の子は積極的だろーけど。
ソイル国ってどーなんだろ?」
あらら。外見は王子様だけど、中身はオレと一緒じゃん。
「そこはオレ、あんま、期待してねーけど」
「しゃーないよな」
おい、下ネタ、おっと下仁田。外見とのギャップがありすぎだろ。
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