第212話 『交響曲第2番【四つの気質】』 カール・ニルセン

 『第1交響曲』から、10年も経過して、1902年12月1日に初演。


 指揮は、ニルセン先生ご自身。


 なんで、『第1番』が、『そとうつ』で、こっちは『うきうき』なのか?とお尋ねか?


 まあ、そこは、やましんの主観であります。


 この年の3月8日には、シベリウス先生の『交響曲第2番』が初演されておりまして、まだ若い両横綱の、そろい踏みということになった年です。


 なにかと、各国の指導者様の謎の行動が多い昨今ですが、この題名も、かなり謎めいております。(小惑星でも地球に接近しているのかしら、と妄想してしまうような日々です。)


 日付はわかりませんが、シェラン島の居酒屋さんで、奥様やお友達といっしょにいた時に、興味深い絵を見たのだそうです。


 それは、人間の気質を分類する【4つの絵】だったのだそうです。


 その四つとは『胆汁質』『粘液質』『憂鬱質』『多血質』です。 


 ときに、心理学の教科書に出ていた、クレッチマーさまの、気質に関する分類は、クレッチマー様ご自身が、1888年のお生まれですから、更に後の事でありましょう。


 じゃあ、この分類は、どこに起源があるのか?


 高校の教科書にもあったような気がする、ギリシアのヒポクラテスさまの研究によところによれば(なんだそれは!)、人間の健康は、よっつの体液のバランスが崩れると起こると言う説が、ございましたそうな。


 血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁(なんだか、血液以外は、あまり腑に落ちませんが。)


 これも、その起源は、四大元素説に遡るのだといいます。


 さらに、体液は気質に絡んでくると考えられておりまして、黄胆汁質、黒胆汁質、多血質、粘液質とになりますの、です。(順番違うだろ❗)


 そうして、やましんには、これまた未知の『占星術』が、絡んでくる。


 これらが、生まれた時のある星の位置により、変わって来る。


 木星、火星、金星、土星と、絡むのだ!


 しかし、ヨーロッパでは、16世紀から後になると、解剖学による知識が増加し、医学としては、これらを駆逐することになったとか。


 なので、ニルセン先生が見た絵画は、占星術との関係があるか、クレッチマー先生の、なんらかの前身みたいなものだったのか、そこは分かりません。


 実物が残っていたら、いいのですけれどね。


 その筋の専門家の方なら、わかるかもしれません。


 で、この曲ですが、頭から、もう、ニルセン節、爆発であります。


 つまり、この10年の間隔は、大きかったといえます。


 第1楽章、集結部などは、『そこまで行くのかあ!』というくらい、盛り上がります。


 非常に、シンフォニックで、あります。


 第2楽章は、北欧的というよりも、やや、うっとおしい、でも、ニルセン先生でないと書けない、ちょっと西部劇の、遠いかなたからくる的な、感じのある音楽です。


 第3楽章は、こっちが実は、『メランコリー』なんですが、たしかに、これは、地獄の領内に入る手前当たりの音楽ですなあ。


 奥が深いといえば、また、そうでもあります。


 なかなか、一筋縄ではゆかない、意味深な曲


 第4楽章は、たとえば、『フルート協奏曲』とか、『クラリネット協奏曲』とか、『交響曲第6番』とか、そういうあたりに顕著な、まあ、ブラック・ユーモアといいますか、ちょっと形容しがたい様相を呈する感覚がのぞいている、やや、暗黒面のある音楽なのだ!


 まあ、それは、あくまで、やましんの、少し世間ずれした感覚ですから。


 しかし、最後は、ばっちり決めて終わります。


 いささか実験的な側面もある、20世紀音楽の新しい姿の登場なのであります。


 完成度の高さでは、やはり、シべ先生の『第2番』に軍配を上げたいですが、文字通り、面白いのは、ニルセン先生のほうかも。


 現代の若いゲーム世代の方には、こちらのほうが、合うかもしれないです。


 なんだか、そんな感じがします。


 はい。





  ********* うき  🌄  うき **********



 






 


 





 

 

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