第201話 『ピアノ協奏曲第2番』 チャイコフスキー

 いつも、『第1番』さんの後ろに隠れてしまっていて、めったに人前に姿を現さないのですが、無理やり引っ張り出してみれば、これが、なかなかの、素晴らしいお姿なのです。


 ただ、『第1番』と同様に、第1楽章がやたらに巨大なのは、さすがに兄妹というところ。


 隠れているから、気が小さいのか、と、思ったら、きっと間違いです。


 頭から、どっか~んときます。


 第1楽章は、たいへん親しみやすい、かっこいい音楽であります。


 しかも、さらに、そのあとに、なんと、えもいわれぬ、美しいメロディーがかくされているではありませんか。


 この長さを、まずは、楽しまなくちゃ、そんです!


 管弦楽が、音の固まりを、聞いてる人にぶん投げてきて、そこにソロ・ピアノさんが乗っかって、殴り込んでくる手法などは、第1番さんと、似てるところもあります。


 第二楽章さんは、いささか、複雑で、ナイーブです。ここは、暖かい心で、聞かせていただくべき、おんがくです。


 第3楽章は、大変に親しみやすい、良い音楽でありまするが、二つ目の主題が、いい!


 いやあ、よい言葉が見当たらないのですが? ちょっと独特の節回しだ。


 最高調で、堂々と、締め括ります。


 でも、終わると、また、すぐに、『第1番』さんの後ろに、かくれようとするのです。


 いやいや、もっと自信を持ちましょう!


 あなた、傑作ですよ。

 

 初演は、1882年5月22日、ピアノは、あの、第1ピアノ協奏曲の献呈を拒否し、その後、反省したらしい、ニコライ・ルービンシュタインさんに献呈され、弾く予定だったけれど、初演前に病気で亡くなってしまいました。

 

 ただし、この曲では、あっさり献呈を受け入れたとのこと。


 初演のピアノは、これも名高いセルゲイ・タネーエフさま(第1番のロシア初演をしたのもこの方。ニコライさまのお弟子さん。作曲家でもある。アレクサンドル・タネーエフさまは、(この方も、官僚であり作曲家でもあった)ご親戚とか。込み入ってしまって、やましんの頭じゃ解読不能である。偉そうに言うな!・・・)、指揮はニコライさんのお兄さん、アントン・ルービンシュタインさまだったとのことであります。


 じゃあ、なんで、『1番』で、あえて、意地悪したのかな?



・・・・・・・・うき 🎹🎹🎹  うき ・・・・・・・・・・・・・・

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