第151話 『ピアノ協奏曲第3番』 ベートーヴェン
べー先生のピアノ協奏曲では、『第1番』から『第4番』までは、ベー先生ご本人が初演のピアノを弾きました。
『第4番』の公開初演の時期には(1808年12月22日)かなり難聴が進んでいたせいか、上手く弾くことが出来なかったらしく、それ以来、公開の場で演奏することはやめたようです。
『第3番』の初演は、1803年4月5日。
ベー先生は、この曲でもって、初めてこの分野で自信を持って、『これこそ自分の音楽だ』と言えるようになったと、おっしゃっていたようでありますが、『第1番』も『第2番』も、なかなかの傑作(実際の作曲順は逆のようですが・・・)でありますが、確かに『第3番』は、ベー先生印が、くっきりと浮き上がった傑作であります。 はい。
『第1楽章』の、ちょっとひねくれたような出だしからして、こいつは、ただ者ではないぞ、と思わせます。
そうして、音楽の追及の深さ、といいますか、切り開き方といいますか・・・、が、前の2曲とは、実際、次元の違いを感じさせます。
ここには、ベー先生ならではの巨大な世界が広がります。
しかし、『第2楽章』こそ、この曲の核心部だろうと、やましんは、いつも思うのですが、このすべてを抱擁するような奥の深い、また厳粛な、また静かな音楽こそ、「よ! ベーさん、日本一! ・・・違った、世界一!!」と掛け声がかかる(ま、普通は演奏中は、かからないけど・・・)ような、すばっらしい音楽なのであります。自室の暗闇の中で、もう自決することばっかり考えていたやましんが、突如目を開いて、空間を見つめるのです。
「す・・・・すばらしい!」
思わず、そう、つぶやいてしまう。
そんな音楽であります。
『第3楽章』は、けっして『うきうき』という感じでもないのですが、感傷に陥ることなく、堂々と自らの世界を開陳する、30歳代前半の、まことに、かっこいい、ベー先生が、そこにいるのです。
音楽的には、やましん、『第4番』の方が好きではありますが、若き、横綱昇進直前の、最盛期の大関相撲という感じで言えば、『第3番』こそ、それであります。
『第4番』と『第5番』は、横綱昇進後の、深い深い境地を示す、しかし、両極の位置にある音楽なので、あります。
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