第149話 『ルオンノタール』 シベリウス
しべ先生が、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』の、創世神話を元にして、自ら脚色して創作した、声楽付きの『交響詩』作品。
ルオンノタールは、『大気の乙女』で、どうやらお名前は『イルマタル』さん。 地球上の海に現れてから、700年を過ごした後、大嵐に揺られながらも、身ごもってはいたらしいけど、なかなか生み出せず、至高の神『ウッコ』に助力を依頼します。
小鴨がやって来て、海の上に現れた彼女の膝の上に卵を産みます。(なんで世界創世の前に小鴨がいるのか? それはやましんに聞かれても分からない・・・)
それから、イルマタルさんは、あまりに足が熱くなって我慢できずに動いたので、卵が落っこちてばらばらになりますが、そこから大地や空の穹窿、お日様、お月様などが生まれて来ます。
しかし、さらに長い時間、母の体内にいたのち、やっと生まれてきたのが、『カレワラ』最高の英雄、ワイナモイネンさんでした。彼は、生まれたときからすでに老人の姿だったらしいです。
ただし、『カレワラ』は、各地に分散していたものを、エリアス・リョーンロット先生が収集し、いささか無理やり一つにまとめたので、異なるお話のバージョンがあったり、話しのつじつまが、なんとな~く合わなかったり(死んだ人が生きていたり・・・とか)はいたしますが、そのあたりは、専門書籍をどうぞ!
シベ先生のこの作品は、一度1906年に企画されていたようですが、いったん廃棄され、1913年に、再度取り上げられて完成した、異色の管弦楽付きの声楽作品であり、『交響詩』ともされる傑作です。
やましんが、学生時代にはじめて買ったこの曲のLPでは、当時まだ『歌詞』が入手できないということで、対訳が載っていなかったように思うのですが、現在は勿論、日本語対訳付きのCDがございます。
すぐに言葉のお判りになる方は別として、そうでない場合は、やはり『対訳』というものは、必要で、ありがたいものであります。
やましん、合唱団にもいましたが、正式に声楽を習った訳ではないので、しろと考えですが、この、大体ソプラノのソロは、おっそろしく難しいだろうと思います、です。はい。
だいたい、ひとりでオケを相手にすること自体、相当な力量がないとできませんが、この、大変に大きなダイナミクスや表現を要求される『お歌』は、さらに、いかにもシベ先生らしく、オケが結構、相当に分厚くて迫力があるので、かなりの声量やテクニックがないと、お客様には届きにくいでしょうなあ。
でも、それだけの力がある方であれば、生の演奏は、すっごおい迫力となるに違いないのですが、やましんは、いまだ実演に出会ったことがありません。
是非、生きてる間に聞きに行きたいけど、元気もお金も、もうないなあぁぁ~~~~~。
初演は、1913年9月10日。イギリスで。
ソリストは、アイノ・アクテさん。
この方は、当時の名人さんで、音楽界でかなりの力もあった方のようですが、そのお歌の録音も、残っおりますので、お声を聴くことが可能です。
おっと、余談ですが、交響詩『オセアニデス』(大洋の女神;1914年)と、混同さんにならないようにいたしましょう。
こちらについては、また、別項で。
******** うき 🗽 🐤 📄 うき ********
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