第135話 『ピアノ協奏曲第3番』 バルトーク

 バルトーク先生の、『白鳥の歌』、この世と決別する音楽になってしまった作品。


 最期の17小節が、未完成のまま残されたのだそうであります。


 バル先生は、ヨーロッパが独裁者に引き裂かれる悪夢の中から、1940年に、アメリカに渡りますが、体調を崩し、経済的にも追い詰められ、栄光の日々が来る前、1945年に亡くなってしまいました。


 しかし、なぜか、この曲には、そうした苦悩の色があまり感じられない、わりと闘争的な音楽も書くバル先生にしては、どこか、いたわりや優しさを与えてくださる感じがあります。


 それは、多分、奥様や、お子さまに対するお気持ちだったのかもしれません。


 歌心の高い『第1楽章』冒頭から、しろとにも聞きやすい音楽です。


 美しくて、静かで、深い安らぎが目立つ『第2楽章』ですが、終結前に、ちょっと、苦し気な音がぶつかってきます。


 『第3楽章』は、『うきうき的』要素が強く感じられますが、バルトーク先生らしく、民族的要素がしっかり効いていながらも、形的には、わりに古典的なスッキリした音楽です。

 

 楽譜の最期に、『おしまい』、と書かれていたのだそうです。


 未完成の終結部は、お弟子さんの、ティボール・シェリルさまや、指揮者ユージン・オーマンディさま、また、ルイス・ケントナーさまなどの手により完成し、1946年2月に初演されたとのことです。


 やましん、学生時代からこの終結部は大好きでありました。


 年はとったけど、音楽は変わらないです。


 

・・・・・・うき 😭? うき・・・・・・

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