第133話 『ブランデンブルグ協奏曲第5番』 J.S.バッハ
学問的にどうかはわかりませんが、『合奏協奏曲』の範疇の曲ではありますが、近代的協奏曲の元祖みたいな曲です。(1721年に、ブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒさまに献呈されたとのこと。)
それは、まず第1楽章に、長大なチェンバロさんの『カデンツァ』があることが、バロック協奏曲の典型から次の時代に、一歩も二歩も踏み出した感じなのです。
また管弦楽だけの前奏が置かれていることも、それと合わせ技で、そういう感じを強くもたらす気がいたします。
もともと、割と短かったカデンツァを、後にさらに長く改定したようですが、確かに、そのおかげで、ここがこの曲の大きな聞きどころになった感じであります。
もっとも、この曲のソリストは、あと、フルートと、ヴァイオリンが入ります。
でも、このふたつの独奏楽器には、そうしたカデンツァが割り振られておりません。
つまり、平等の扱いではない、と言っても良い感じです。
そこで、古典派ピアノ協奏曲の元祖という感じもいたします。
と言っても、それは、もうすぐにやって来たわけで、大バッハ先生の息子さんたちの世代が、新しい世界を切り開いて行きます。(もっとも長男さんと末っ子さんは、親子ぐらい間があいていますが。)
なにせ、バロック協奏曲の最後期を飾る、実におめでたい感じの『うきうき』音楽でありまして、そうですねぇ、あえて言えば、100歳の長寿を全うし終えた方を、皆で讃え、お祝いしているような感じですか。
え? あまり、喩えが良くないですか?
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