第111話 『マニフィカト二長調』 J.S.バッハ
やましんのおうちは仏教徒でありまして、したがて、とくにクリスマスだから特別何かということもありません。
子供のころは、ドライアイスの湯気がたちのぼる、アイスクリームのクリスマスケーキが楽しみでしたし、音楽で言えば、『くるみ割り人形』あたりを聴くのが好きでした。
なんだか、一年中でも、特に不思議な雰囲気がありましたから。
また、50歳代の頃は、マルカントワーヌ・シャルパンティエさまの『クリスマスのための真夜中のミサ』に凝っておりました。
しかし、このところは、クリスマスもお正月も楽しくもなく、めでたくもなく、なんとな~く、雰囲気を感じるのは、『お盆』くらいです。
とはいえ、せっかくの名作であり、ちょうど時期物でもあり、実によい音楽なので、ここで登場。
『マニフィカト』(聖母マリアのカンティクム)はルカによる福音書第1章にでてくるお話で、受胎告知の後、聖母マリアさまが親類のエリザベトさまから祝福されたのに答えて歌った賛歌が元々なのだそうです。
大バッハ先生の『マニフィカト』は1曲しか残っていませんが、本来は変ホ長調だったものを、二長調に書き直したものと2種類あります。
並べて聴くと、変ホ長調は、落ち着いたゆったり感が強く、二長調の方が、すっきりと輝かしい感じはします。(♭系の音楽は、まるく感じることが多いようです。#系はわりと、とんがる。)
やましんの言う事ですから、やましんの、かなりあやうい『主観』ですけども。
いずれにしても、冒頭の、きらきらと輝く光のような音楽が、周囲のすべてに向けて放射線状に広がって行くみごとさは、ちょっと類例がないほど素晴らしく、お叱りがあるかもしれないけれど、近未来S.F.スペクタクル映画の、空間投影みたいな感じです。
やましんは、ここだけ聞くのが好き。
もちろん、その先も音楽的には傑作が続きますが、うつぎみのやましんの精神的な意味での『療法』としては、それが効果的。
どんな壁や妨害や阻害があっても、それが誰のせいであっても、この音楽は、すべてを突き抜けて平等に祝福してくださる感じがします。
立派な音楽です。
変ホ長調の曲は1723年に作曲され、それを二長調に改作したのは、1728年~31年の間とみられるとのこと。
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