第108話 『ワルツ 天体の音楽』 ヨーゼフ・シュトラウス

 ヨーゼフさんは、ヨハン・シュトラウス(Ⅱ)さんの弟さんです。(1827~1870)もともとお父さん(ヨハン・シュトラウス(Ⅰ)さん)は将校になる様に望んだそうですが、反発して建築技師となりました。しかし、お兄さんの代役をしたのがきっかけで、音楽家に転身。


 もともと、兄をも凌ぐ天才だったので、けっこう300曲に達する作品があるとか。


 ただ、ヴァイオリンの演奏とか、ややこしい楽団の運営とか、演奏会の緊張の連続とかは苦手だったようで、結局は身体を壊し、43歳で他界してしまいました。 

 その作品の中でも『我が人生は愛と喜び』『オーストリアのむらつばめ』それから、この曲あたりが名高いのでしょう。


 やましんの勝手な鈍い感受性から言えば、お兄さんより、かなり夢見がちで、やや線の細い繊細な音楽が特徴のよう。


 この曲など、特にそんな感じで、大変デリケートなところがあります。


 これも、1868年の作品のようですから、もう、亡くなる少し前になっています。


 楽しい音楽ですが、どことな~く、少しだけもの悲しいなにかが背景にある気がするのは、その事情を聞いたあとからだからかな?


 お星さまに関係する音楽の中でも、有名な作品。


 なお、さらに下の弟さんがいました。エドゥアルト・シュトラウスさまです(1835~1916)。


 非常に実務にたけた方で、楽団の運営を巧みにこなしていたようですが、作曲家としての才能の限界に悩み、後年、楽団が持っていた貴重な楽譜を焼却してしまったとして、ちょと残念な終幕になったように聞きます。

 

 *参考 【『ウイーン音楽地図』 クリスティアン・M・ネベハイ著 白石隆生・敬子訳 昭和62年 音楽の友社】




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