第104話 『ヴァイオリン協奏曲第5番 K.219』 モーツアルト

 美しくも、うきうき、のりのり、るんるんな『ヴァイオリン協奏曲』


 第3楽章に『トルコ風』の音楽が含まれているので、ずばりそのまま『トルコ風』と呼ばれるのであります。


 とはいえ、この『トルコ風』の部分を取り囲む、この世からはちょっと隔絶したような美しい、楽しい音楽は、じっつに魅力的です。


 特に終楽章(第3楽章)終結部あたりのたたずまいの素晴らしさは、ちょっとやましんのへったくそな文章では、どにもならない類ものでありまして、まあ、聞いてください! としか言いようがないくらいなのです。


 あなたの周りを、天使さんが楽しく舞い踊ります。


 これは、モー先生にしか書けない部類の音楽です。


 1775年12月20日、ザルツブルクでの作品。


 ちょとまて、モー先生、まだ20歳にもなっていないではないですかあ!


 まさに神がかり的な音楽としか、言いようがないです。


 なんとなく、手を合わせてお祈りしたくなるような、もう『神聖』と言っても良いくらいの、『特』上質『特』上品な、うきうき、るんるん、のりのり音楽。




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