第101話 『コメディ序曲』 マデトヤ
レーヴィ・マデトヤ先生(1887~1947 フィンランド)は、シベリウス先生(1865~1957)にも教えを受けたことがある方ですが、お師匠さんの方が10年も先まで長生きしてしまったのでありますが、その交響曲の大家、シベ先生ご存命中に、交響曲分野で唯一成功できたフィンランドの作曲家と、言われます。
しかし、マデトヤ先生が最も成功した分野は、シベ先生が進出できなかったオペラの分野でして、『歌劇ポホヤの人々』は(1925年10月25日初演)、シベ先生の『交響曲第2番』に匹敵するような、大成功だったということです。(『フィンランドの音楽』1997 オタヴァ出版印刷)
マデトヤさまには、もうひとつ『歌劇ユハ』があり、音楽的にはこちらのほうが進歩しているとも言われますが、人気は出なかったようであります(1935年初演。アーレ・メリカント(1893~1958)さま・・・おしゃれなピアノ曲や歌曲で現在も人気が高い、オスカル・メリカント(1868~1924)先生の息子さん。お父さんとは違って、前衛的な作風。・・・にも、同じテキストによる歌劇があります。)
マデトヤ先生は、他に、フィンランドの作家、アレクシス・キヴィさまの作品にもとずく歌劇を企画していたのですが、これは上手くゆかなかったということで、この『コメディ序曲』だけが残されました。
長く無視されていた作品だったようですが、現在は復活していて、CDで聞くことが出来ます。
これがまた、実に楽しい、うきうきな、良い音楽なのですなあ。
やまんが初めて高校生時代ころに聞いた、マデトヤさまの作品が、この曲でありましたが、一発でファンになりました。
魅力的な旋律と、うきうき・るんるん、な音楽運びで、聞き手を飽きさせません。(ま、多少地味ですが。)
あえて言えば、リヒャルト・シュトラウスさまの『ドン・ファン』あたりの影響も感じられますが、まあ、言われてみればそうかしら、くらいで、むしろそう考えるよりは、マデトヤさまの個性の方が優っていると思った方がよさそうに思います。
マデトヤさん入門には、最適な、まったく楽しい曲であります。
初演は、1923年4月12日。ヘルシンキにて。
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