第91話 『スペイン奇想曲』 リムスキー=コルサコフ

 『シェラザード』までは行かないとしても、リムスキ先生の作品の中では、高い人気のある作品です。


 初演は、1887年10月31日。


 初演時から大変評判は良かったようですし、何よりも、初演したオケの団員から非常に賞賛されたようであります。


 そこで、喜んだリムスキ先生は、この作品をオーケストラの楽員全員に贈呈することにしたんだとかです。


 リムスキ先生のご一家は、海軍の軍人さんになることが多いお家で、歳の大分上のお兄様は、軍艦で来日したこともあったとのこと。


 リムスキ先生も、若い頃には軍艦に乗って海外遠征をしていたんだそうです。


 この曲は、冒頭からオケの楽員の見せ場となるソロの部分も多く、そういうところから言えば、オーケストラの楽員さんにとっては、やりがいのある曲と、言えるんじゃないかとも、勝手に思いますが・・・。


 実はやましんにとっては、6歳くらいだったでしょうか、最も早く聞いたクラシック音楽のひとつであります。(そのレコードは今もちゃんと残っております。ただし、これは抜粋で、最初と最後のところだけ。)


 そこで、長年、中身の美味しい美味しい、あんこの部分は、聞かないまま過ごしてきたのでありまして、そのせいもあるのか、ちょと全体のバランスにいささか、違和感を感じてしまうのです。(これは、やましん個人の感覚の問題です。)


 それは脇に置いといて、全体は、5つの部分に分かれておりますして、全体、大変『うきうき』で、その中身には、ちょっと南国風のうっとおしい陰りもあり、ですが、その冒頭部と、終結部。。。特に終結部、は素晴らしい音楽です。


 まるで、高速道路が立体的に交差し合い、それを上空からドロンで眺めながら、ぐいぐいと上昇してゆく、というようなスリル感が、たまらなく良いです。


 途中、ちょと、『シェラザード』に出てくるモティ-フに似たあたりがあるのは、これは、お客さまサービスの、ご愛嬌というところでしょうか。


 なお、主題となる旋律は、スペインの民謡から拝借しているようであります。





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