第87話 『トゥーランガリラ交響曲』 メシアン
高校生時代に読んだ『名曲解説』本の印象から、おっそろしい理論と精緻な構造の固まりなのだ。
というイメージが強く、近づきがたい感じがしていた、しかし20世紀を代表する傑作音楽の一つです。(1946~48年に掛けて作曲。だから、やましんが解説本を読んでいたのは、作曲後まだ、30年も経っていない時期なんです。)
しかし、どうせ理屈はわからないもん! と、いささか開き直って聴くと、これが意外と、茶目っ気があったり、よいメロディーがあふれていたり、かっこ良かったりして、なかなか楽しい音楽なのです。
ピアノのソロが活躍する一方で、あの『ぷわ~~~~あぁ~~~~~ん !!』とレーザー光線のように鳴る、電子楽器『オンド・マルトノ』が活躍することでも有名。
10楽章構成で、おそろしく巨大な感じもしますが、面白いので、そんなに長く感じないのです。
もともと『愛の歌』とか『よろこびの賛歌』とかという意味合いを持つ梵語なんだそうですから、ある意味、楽しくて当然なのでしょう。
全体的に、とても前向きで、あくまで人生肯定的な、やましんとは、正反対の性格を持つ音楽なのです。
メシアン先生は、1992年までこの世におられた方ですから、来日もして、つい先ごろテレビにも出演したりしてたんじゃないかなあ、確かこの部屋で、寝っ転がって見ていたよなあ! と、思うくらい、いまだに、ものすごく実存感のある大作曲家です。
生命があると言う事についての・・・、実際に、ここに、あなたも実存しているのだぞ、それは大事な事なんだよ、ということについて、丁寧に教えてくださる感じがします。
にもかかわらず、直ぐに落ち込むやましんは、やっぱ、問題児(おじさん)かなあ。
それでも、全体では演奏に80分くらいはかかり、そりゃあ長すぎだぜ~~、と思う方は、試しに『第5楽章』だけでも、聞いてみましょう。
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