第73話 『交響曲第8番』 ドヴォルザーク

 なんとも、完璧な『交響曲』という感じです。


 ドヴォ先生の交響曲中でも、『異世界交響曲』であるところの、『第9番』を別格としてしまうと、これがやはり最高峰だと思います。


 素人目に見ても、なんと申しましょうか。とにかく、よく出来た曲です。(笑わないでくださいね!)


 完璧無比の工芸品みたいなもので、感心するくらいに素晴らしく仕上がっていま

す。


 これ以上、どうにもできない、絶品です。


 ドヴォ先生らしく、メロディーの宝庫でもあり、『うきうき』『どきどき』の連続です。


 また、アマチュア・フルート吹きからしても、この曲には、素晴らしいソロがあります。


 多数の『交響曲』と言われる作品の中でも、フルートのソロという点からしたら、おそらく、最高の作品です。


 ここを、オケで吹くことが出来るアマチュアさんが、うらやましくて仕方がありません。


 それは、『第4楽章』に出てくるのですが。


 1889年に作曲され、1890年にプラハにて初演されております。


 ドヴォ先生ご一家が、インフルエンザで、初演がちょっと伸びたと言う、お話あり。(平林直哉さまのご本参照『クラシック名曲初演&初録音辞典』)

 


 ときに、この曲の持つ凄まじい推進力は、蒸気機関車にも通ずるような感があります。


 ドヴォ先生が、恐ろしいほどの鉄道マニアであったことは有名で、並の知識ではなかったようです。


 当時の鉄道車両の番号や、時刻表なども、完璧に暗記していたようで、記憶力の確かさがうかがわれます。


 有名な音楽家である、娘婿さんが、ドヴォ先生に気に入られようとして、付け焼刃で汽車の番号を覚えて言ってみたら、間違っていたらしくて、一蹴されて歯が立たなかった、なんていうお話もあったような。


 これも、生きてるうちに聞かないと、絶対損な作品のひとつ。


 機会を見つけて、是非どうぞ。

 

 

 

 






 

 

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