第67話 『ピアノ・ソナタ D.959』と『ピアノ・ソナタ D.537』 シューベルト
D.537は、イ短調のソナタです。
一方D.959はイ長調が主調。
有名なのは、やはりD.959のソナタで、これはシューベ先生のピアノソナタの中でも、D.960と並ぶ人気曲かと思います。はい。
クラシック音楽の、特に器楽曲の場合は、ネーミングの点で、一般の興味を引きにくいという問題があります。
もちろん、べー先生の『月光ソナタ』とか『悲愴ソナタ』とか『熱情ソナタ』というようなニックネームを持つ有名曲はあるのですが、モー先生やシューベ先生のピアノ・ソナタの場合は、そうした例はあまり見当たりません。(シューベ先生のD.840番は、『レリーク』とかついてた様な気がしますが。モー先生の場合は、例の『トルコ行進曲付き』という超有名曲がありますが。)
なので、著作権上の問題はちょっとあるのですが・・・、『ピアノ・ソナタ『真夏のシンドバッド』』とか、『ピアノ・ソナタ『愛の大嵐』とか、ヴァイオリン・ソナタ『ルージュの首輪』とか、チェロ・ソナタ『難波の恋の猛獣落とし』とか・・・まあ、そうした名前でもついていたら、多少今までより受けるかもしれません。(冗談の一種ですから・・)
しかし、いくらか類似の事をやった作曲家が、いないわけでも無くて、エリック・サティさんなどは、奇抜な題名や、発想標語を連発していました。『はららごの干物(この言葉は今は使っていいのかな? 『胎児の干物』ともいいます。)とか『歯の痛いうぐいすのように・・・』とか。
まったく関係がありませんが、シューベ先生の、この魅惑的なピアノソナタも、そういうわけで『ドイッチュ番号第***番』と宣言されても、確かに、なんとなく無味乾燥で、多くの方にこっちを向いてもらうには、ちょっとインパクトがないかもしれません。
でも、それでも、これは、実際に聞いてみると、遥か宇宙の深遠まで見渡すような、すごい音楽なのです。
確かに戦争シーンや格闘シーンはないですけれども。
ときに、なんで2曲並べたのかと言いますと、この『D.537』の第2楽章の主題と、『D.959』の終楽章の主題が、なんと同じものだから、なのであります。
これは、クラシック音楽ファンには、大変興味深く、うれしいモノなのです。
同じと言っても、完全に同じじゃなくて、さらなる工夫が凝らされているので、あります。
それがまた、とっても楽しく、『うきうき』するもの、なのであります。
興味があったら、試して見てください。
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