第66話 『ピアノ協奏曲第2番』サン=サーンス

 『ふろあがり  ぶらりぶらりと ようきかな』 


 失礼しました。最近、お風呂に入ったあとスーパーにお買上に良く行きます。

 なまものが、半額になるので、そこを狙います。

 しかし誰しも考えることは、同じで、高齢者を中心に早い者勝ちとなるので、すぐめぼしいものはなくなります。


 それでも、これは高齢者の楽しみになってる面もまったくないとも、言えないです。


 特に女性の場合は、お知り合いとの交流の場でもあるようです。


 そこいくと、おじさまたちは、なんだか、大概孤独そうなのです。


 この世の中に、楽しみなんかはないさ、と言う表情の方が多い気がします。(あくまでも、表情ですから)


 やましんは、お酒は飲まないので、また、子供も孫もいないので、陽気になる要因があまりありません。奥さんとは、別居中だし、まあ音楽だけです。あと、ラジオ。


 で、カバンぶら下げて、この曲の第一楽章の寂しくも悲しい主題を、ぶつぶつとお経のように呟きながら、この時期は、ちょっと洒落たゴム草履をはいて、ふらふらと夜道を歩くのです。


 第二楽章になると、俄然、はつらつ音楽に変身します。ここも、お歌にはちょっとなりにくいとこは、はずして、歌になるところだけ、鼻唄風にやります。はい。


 第三楽章は、猛烈突撃型音楽です。


 こりゃ、どうにもなりません。


 まあ、多分サン=サン先生のピアノコンチェルトでは、これが一番の人気曲かもしれませんです。


 ちなみに、よけいなことですけれども、『ようき』、は、『陽気』『酔う気』『妖気』『容器』『養気』『妖姫』『揚棄』などなどありますが、いずれがはいっても良いのですが、いずれにしても、こいつは川柳ですね。


『サン=サンさんの2番に引かれてお店参りかな』


 3番の協奏曲にしたほうがよかったかな。







 




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