第23話 『万国博マーチ』 川崎 優

 1970年、大阪万国博覧会のテーマ行進曲です。

 しかし、やましんが思うに、日本製の行進曲としては、最高傑作のひとつです。


 ひたすら『行け行け!』音楽ではありません。

 大きく2部構成になっていますが、前半部の音楽では、ほんの少し、愁いを帯び掛ける瞬間があるのです。

 これが素晴らしいのです。

 ドイツの超有名行進曲「旧友」(うつうつ第438話)には、そうした瞬間がありますが、日本人の行進曲作品では、割と珍しい気がいたします。


 後半は、同じパターンを繰り返して気分を高める方式です。

 これは、万博というステージにふさわしい在り方なのでしょう。


 もう、大昔ですが、やましんも大阪に行きました。

 各国のレストランには目も止めず(高くつくので)、おにぎり持参で、ひたすらパビリオン巡りに明け暮れました。

 各パビリオンで、サインを頂くのが、もう楽しくて!


 ここには、多くの有名音楽家もやってきていたのですが、そこらあたりは、まだ興味の対象にはなっておりませんでした。

 今考えれば、もったいないお話ですけれども。


 当時の展示物で、一番気になったのは、小さなテレビジョンでした。

「こんなものが、いつかはお家に来るのかなあ?」

 と、思ったものです。


 それは、真空管式のものでしたが、最近その後継機を入手いたしまして、毎晩眺めております。ラジオも付いているので、そちらはまだ現役です。

 レトロと言えばレトロ。

 しかし、大変な技術といえば、それもそうです。

 あの頃の日本は、見た目、ものすごい勢いで伸びておりました。

 隠されていたことも、きっと多かったのでしょうけれども。


 夢のような、昔のことです。

 




  ************ うき ☆彡 うき ************ 



 



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