第3話 『風変わりな店』 レスピーギ
ななななな・・・これはいったい何なのか? ほぼ冗談音楽の範疇近くにまで行ってしまっているのではないか?
この猛烈に楽しい音楽は、もともとロッシーニさんのピアノの曲集「老いの過ち(いたずら)」をレスピーギさんが、バレエ音楽として再生させたものです。
最初から、もう楽しいのなんの、ですが、なんだか、あのグノーさんの歌劇「ファウスト」をほうふつとさせるような音楽が出て来たリ、突然調子外れのおかしな音が頻発してみたり、まあ、これを昨今お風呂の中で聞いておりましても、ついつい吹き出してしまったりするわけなのであります。
(現在は、我が家も多少システムが高度化いたしまして、小さな裸のスピーカーでは無く、お風呂用の防水CDプレーヤーとなっておりますが。)
ロッシーニさんという方も、不思議な方で、オペラの作曲家として名声を上げたものの、40歳代で早々とオペラは止めてしまいまして、巷では、その後ひたすらグルメの道を歩んだとよく言われておりましたが、実際のところは、巨大な宗教音楽を作曲したり・・・(『スターバト・マーテル』・・・大傑作。とか、『小荘厳ミサ』・・・楽器編成が小さいという事で、作品の規模はでっかい。大オーケストラバージョンもあり。これも傑作)する片方で、お友達の為に、200曲くらいは、こうしたピアノの小品を書いていたようなのですね。
そこにバレー曲の作曲依頼を受けたレスピーギさんが、未出版だったこれらの曲集に目を付けたらしいのです。
さすがは、レスピーギさんで、この管弦楽化が素晴らしかったのでありますね。
めくるめく、管弦楽団の色彩、微妙な絡み合いから大胆な音まで、もう、面白い面白い。
バレーは見たことありませんけれど、ここにバレーの舞台が入ったら、それこそ万華鏡のような素晴らしい夢の世界がこの世に現出する事でありましょう。
どのように「風変わり」になるのかは、演出家さんの腕の見せどころなのでしょうねえ。
生きてる間に、一度は実際の舞台を、見てみたいものです。
ところで、またまた、『CD的蛇足』ですが、これも随分昔のことになりましたが、イギリス『EMI』さんの100年記念CD集とかいうものが20世紀の終わりころ出された中に、トマス・ハンプソンさんがナレーションを担当した面白い付録のCDが付いておりました。1898年から1991年あたりまでの録音を、ずらっと俯瞰しているものです。
このプログラムの中に、本作品の一部が、1921年のラッパ吹き込みと、1925年の電気録音とを並べて、比較できる形で収録されておりました。
最近の録音に比べれば、どっちにしても、ブースカ・ドンドンという音ではありましょうが、これがまた作品の性格に良くマッチしているものですから、実に面白かったのであります。
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