三題噺

風習（お祭り、ホワイトデー、トロフィー）

　男子校、それは野郎共の集まり。普段からきらびやかな生活の奴などごく一部。

　だがしかし、俺達にも一日だけそんな気分を味わえるかもしれないお祭りのような時がある。

　バレンタインデー。

　何個貰えたかはもちろんのこと、本命かどうかは大切なポイントだ。家族からのも一つと数えられるため、姉や妹がいるなんてのはアドバンテージである。

　そして今年もその日はやってきた。家を出る前から期待をしてしまう俺ら。実際、学校に着く前に貰う奴もいる。それを期待。

　学校に着くと、貰えたかどうかの話が始まり、まぁほとんどは貰えてないが、帰りに望みをとなる。

　一番貰えた奴と貰えなかった奴のテンションの差が出るのは、バレンタインデーの次の日。学校にて個数、その内の本命の数を競う。基本は一～三個が多い。

　今年の最高は十個の奴だった。母親、ばあちゃん、ばあちゃん、姉、妹、妹、幼なじみ、他だ。環境が恵まれている。本命も混ざっていたが、興味ないとのこと。

　次に盛り上がるのは、一月後のホワイトデー。本命を貰った奴が、本命としてお返しをするかどうかというイベント。

　最高個数の奴はお返しはすれど、本命はないため、今回のイベントは棄権。

　一人、本命返しをする男が現れた。クラス全員で応援する。

　もう決まりじゃん？　と思うが、付き合うことを断られるのもいるため注意が必要。

　その男が戦いに行き、結果をグループチャットに報告、無事成功するとみんなから集めた金でトロフィーが贈られるという風習がある。

　こんな学校に通っている俺らはきっと人生楽しんでいるのだろう。

　来年も幸あれ。