エブリデー(希望、カレンダー、病)
今日も一日が終わる。毎日がこうも簡単に過ぎてしまうと、何のやりがいもない。
と言っても、ただ病院のベッドの上にいるだけで何かをするわけではないのだが。
針は刺されるけど、それは自分でしていることではないし、ぼーっとしていたら終わる。
こんな感じだが、せめて何かしていると言えば、一日の終わりにカレンダーにバツ印を付けることだろう。数字ごと枠いっぱいにマジックペンで書く。
これをすることで、ちゃんと一日一日時間が経っていると分かる。印を付ける前は、実はある日をループしているんじゃないかと疑っていた。
まぁ、そんなことはなく。
どんな人間も時間は平等らしい。
たまには短い日も欲しい。そんな我儘も通用せず。
一体、病は気からと言った奴はどんな面をしてるか見てみたいものだ。あんなに自信過剰、やる気ありありの僕がこういう生活になるんだ。気は少しも関係ない。
一つ言えることは、日々の検診って大切だよねということくらい。
お金がかかるのが難点。
あ、時間もかかるか。
でもやる意味ないわぁとか言って終わるくらいが良い。何も無ければ笑って終わるし、何かあれば早めに分かって良かったで終わるし。
そんなに悪いことはないんだけど、やっぱり面倒でどうにもやる気ありありの僕もやらなかった。自信過剰が勝った。
そんな僕だが、この生活から抜け出せるかもしれないという希望が最近ある。
少なくとも、病院からは出れるだろう。そうなるとまたやる気あり自信ありの自分が帰ってくるのだろうか。
すぐには戻らずとも多少なりはおかえりするかもしれない。
前の自分にどうしても戻りたいほどの性格はしていなかったと思うけど。
それでもやっぱり今より良いからね。
今日も今日とてカレンダーにバツ印付けようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます