三題噺

由無し事（誕生日、お正月、ネックレス）

　大変忙しいという意味で盆と正月が一緒に来たというが、俺の場合、そのままの意味で誕生日と正月が一緒に来る。

　そう、一月二日が誕生日なのだ。お正月ということもあり、親族が集まっているため大勢の人に祝われるという嬉しいことがある。

　一方で、誕生日プレゼントとお年玉が合体されてしまうということも起こる。

「なぜうちはお年玉があるときとないときがあるの？」

　そう母に聞くと、静かにこう答える。

「お正月に誕生日だからよ」

　世の正月誕生日勢は損していることになるということだ。物を買ってもらえばお年玉はなく、お年玉を貰えばプレゼントはない。せっかくめでたいことが重なるというのに、二倍のめでたさではないのだ。

　誕生日といえば一つ問題がある。

　ケーキだ。うちは誕生日にケーキを食べない。理由は「お正月はおせちじゃない！」だそうだ。誕生日ということは除外されているらしい。

　それなら他の家族の誕生日の時は食べるのかというと、食べないのだ。誰の時も。なぜなのか、その秘密は日にちにある。父、一月一日。母、一月三日。妹、一月四日。四人家族で一二三四。これはケーキを食べないはずである。四日はお正月ではないのではとも思うが、そんな細かいことは気にしてくれない。

　というわけで、家族全員誕生日と正月が一緒に来るのである。流石に妹は可哀想だ

から、俺はプレゼントもお年玉もあげることにしている。最近オシャレに興味が出てきた妹には来年ネックレスでもプレゼントしようか。

　そういえば、うちに関して言えば日付的に近いからとクリスマスも一緒くたである。もちろん妹には特別にクリスマスプレゼント（サンタ）がやってくる。

　はぁ、どうして誕生日が正月なのだろう。