第27話官話究題〈かんわきゅうだい〉1家族

昔、日本の中枢を担う官僚達にも「家族」が居た。いや、今も居るのだけど。


官僚達は家族に贅沢をさせたり己の欲するままに欲求を満たしたりして、財産や地位(を利用しての就職先の斡旋)などを子孫や親類に

分け与えていった。


おっと、この話をする前にひとつ断っておかねばならないことがあった。何も難しい話じゃない。


それは、読んでいる人の側の問題で、解りやすく簡潔に話すと、


「あなたは国から戦争に行けと命じられたら行きますか?」


ってだけの話。


勿論、法律として認められ「正式に行くことになったら」っていうのが前提だけど。


「はい、行きます」


って即答できる人は、この先不快な表現が出てくるかもしれないので、読まない事を推奨するよ。



それでは始まり、始まり。


まず、根本的な問題として挙げられるのは「国を良くしよう」と思っている人が官僚になったんじゃなくて、あくまでもそれは建前で


「第一に、お金や名誉が欲しい。あと、ついでに国も良くなるといいね。」


元々こんな本音の人達が行き着いた先が官僚だって事。


月の給料25万で永久固定でいいので議員に立候補します!!っていう公約を掲げて立候補する人が一人も居ないのが確たる証拠だね。できないんじゃない。

「やりたくもないし、そんな事するくらいなら辞めるわ」って人達だから。



それで冒頭の続きなんだけど、鎌倉時代の武士じゃ無いけど、官僚達は世代を重ねるに至って、子孫などに分け与える土地や金が減っていったんだ。


そういう人達に限って欲望のままに子供もたくさん残すものだから、そうなるのも無理は無かったんだよ。でね、ひとつ尋ねるけど、あなたは


「一石二鳥」


という言葉を知っているかな?


まぁ、知らない人はいないと思うけど、読んで字のごとく、「ひとつのことをして、なんかたくさんトクした。」みたいな例えだね。


この時代、つまり「西暦2058年」においては、「官僚達の家族や親類」達がインターネットを監視する組織に就職して「国を擁護」

しているんだ。自分達の主人である国を擁護した書き込みがネット上に溢れ、反対意見を言う者や、疑問を呈す人に対しては、サヨクだの

非国民だのと、罵声を浴びせた。場合によっては「削除権を行使する」事もあった。


「そりゃそうなるよね」


だって、そういうお仕事なんだし。自分達(官僚)の身内なんだし。「一石二鳥」となるわけですし。


官僚達の子孫や身内などは、なんかしら名前は変わるけど、大方こういう組織などに属して「旨いこと」国民を誘導していったという訳さ。

問題は


「官僚の子孫の子孫はみんな子孫」状態で、吸い上げる側の人口がとてつもなく多くなってしまった事と


「それ以外の人達の負担」が異常に高くなってしまった事。


この2点。


そして、そんな人口比率のまま


「国民の総意として法律を制定して行っちゃった」事。これが大問題だったと思う。


例え、どんなにおかしい法律でも、一度通ってしまえば今度はそれを守らない人は


「犯罪者」


として裁かれることになっちゃうんだよ・・・


国民の総意とは名ばかりで、解りやすく言うとね


「国や官僚に近しい人達や、賄賂を貰っている人達の総意。家族の総意。親戚の総意。あるいはその知人の総意」


こんなふうに言えば伝わるのかな?逆に言えば、国の中枢から遠ざかり切っている人達っていうのは、それこそ


「道端の石ころ以下」


っていう扱いだったんだよ。



ここで今一度問います


「国から戦争に行けと命じられたらあなたは行きますか?」



あなたがこの文章を読んでいる時代は、どうかこんな「狂った世界」ではありませんように。そう願いつつ、短い文章ではありましたが


「官話究題1 <家族>」


を終えたいと思います。   ――???の手記より


























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