第13話ホームセンターで
「遅ぉ~~い!!」
流布良子が電話してからおよそ1時間後、二時之次と顧問の先生は荷台付きの軽トラックに乗ってホームセンターに姿を現した。
「ああ、ごめんごめん」
先生は笑いながら謝ると、流布と一緒に会計に行ってしまった
「授業受けとけよ・・」
二時之次は独り言をつぶやくと、センター内に設置してある自販機でアイスを買い食べ始めた
「おお~い!」
「手伝って~~!」
先生と流布は早々と会計を済ませて出てきた。荷物をトラックに積むのを手伝って欲しいらしい
「どんだけ買ったんだよそれ・・」
二時之次は買ったばかりのアイスを急いで口にほおばり、2人を手伝いに向かった。
ホームセンターの店員さんにも手伝ってもらい、荷積み作業は程なくして終了したが・・・
「おい、これ・・・」
「俺が乗るスペース無いじゃん・・」
軽トラックは2人乗りで、二時之次が乗る場所が無かった。
「荷台行け!!荷台!!」
運転席と助手席に搭乗した先生と流布は、手と腕で「後ろ行け」というジェスチャーをしている
「これあれだろ・・」
「オチ的に・・・」
「捕まるだろ絶対・・・」
二時之次は、しぶしぶ荷台に登ると、通行人などに見つからないように横たわった。
「そいじゃ、出発するから。」
車のエンジンをかけた先生が、一度運転席から降りてきて二時之次に告げる
「あの、先生、体痛いんですが・・」
荷台はどうやら、発進する前から乗り心地が悪いようだ。
車が目的地に向けて動き出す。
(15分後)
「あっ、やっべえこれ・・」
「吐きそう・・」
無事に海岸に到着したが、二時之次の具合が悪くなっていた
「おふー・・・・」
「ほふぅ~・・・」
荷台で気持ち悪そうにしている二時之次をよそに、
「ほいっ!」
「完了っと♪」
荷降ろしはいつのまにか終わったようだ。
「それじゃ先生、駐車場探してくっから。」
「ほいほい、降りた降りた!」
先生は、完全にグロッキーになっている二時之次を荷台から降ろすと
「先に(試合会場に)行っちゃってていいぞ」
捨て台詞を残して行ってしまった。気づくと、もういい時間である。移動距離などを考えると競技場に向かっても良さそうだ。
「あ”~~・・・」
「ちょっとダメだこれ・・」
「・・・うっぷ!!」
二時之次は口に手を添えて気持ち悪そうにしている
「あ~、もー!!」
「いくぞ、ほれ!!」
流布は二時之次の手を取り取り、海岸を後にした。道中靴を脱ぎ、入り込んでいた砂を「ボンボンッ!」とアスファルトの道路に落とした
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