第27話:倒産した老舗温泉旅館の買収?(202502-202506)

 1月中旬、海辺の温泉地帯の老舗旅館が倒産したと情報が山陰創造社に入った。

 最近、仲良くなった信金の山辺さんから電話が入り、この旅館は古いが湯元源泉を持ってるから安く買収して小さくても良いから24時間体制の温泉施設をつくれば、若い移住者も多いので、きっと成功するのではないかと連絡の電話が入った。直接、山辺さんに会う約束をとり詳細を聞くと温泉旅館のオーナーが売り出したものの買い手がなく海外のファンドが欲しがっているが海外勢には、昔、仲間が痛い目にあったので、日本人以外には売らないと言っていると情報をくれた。


 もし買収する気があれば旅館のオーナーと温泉施設建設の専門家を紹介すると言ってくれた。海津さんなら信金が融資しますと言ってくれた。そこで、まず温泉の専門家との面会を仲介してもらった。温泉スペシャリストの名前は吉村光男さん建設会社出身でスーパー銭湯など首都圏でも何件も手がけたベテラン。早速この旅館を買った場合、どういうプランが良いのかを聞いてみた。まず源泉というのは強い。他に温泉を引きたいと言う人がいたら源泉を分けて上げるだけで報酬をもらえるとい言った。


 次に施設は効率最優先で必要最小限200坪位の施設で初めて、できれば24時間営業「掃除の時間2-3時間は必要であり、実質21時間程度だが」そして混雑状況をネットで見られる様にすれば、更に良いと言った。今や、何と言ってもスマフォの時代であり若者は効率第一主義ですよと言った。また期間の短い割引回数券を出す、若者は効率主義だけれど以外にいい加減で割引には弱いが期間にも弱いつまり、期限切れになって使えないというケースも実は多いんだと教えてくれた。


 そして収益を確実に出す事に徹した経営をすべきだと話した。温泉リハビリとか、老人施設など、他に手を出して失敗している連中を多く知っているので、忠告すると言った。また老人と子供には温泉の年間、月間パスポートをつくるのです。老人は、空いてる昼間に来るし、孫が行きたいと言えば必ずついてくると教えてくれた。


 その他、ツアー客向けに、旅行会社を通して販売すべきと言い、もちろん料金を先にもらうんです。とにかくポイントは金をかけずに宣伝するん事なんですと語った。

 そして、繁盛してきたら、近くに二段ベッドを使っても良いから格安の宿泊施設を併設です。格安旅行が若者に大人気なので温泉と宿をセットで販売するのです。その他、団体客を駅まで送迎サービスをすると良い、これも以外に客引きになるんですよと話した。


 現代の若者の方が意外に温泉に飛びつくですよ。それはスーパー銭湯しか知らない若者が多いからです。あまり話が長いので実際に費用はどの位かかるのか聞くと必要最低限度で5千万円位までに押さえた方がいい。ここは田舎なので土地は安いし倒産した温泉旅館の土地200坪入れても全部で7千万円程度ではないかと言った。


 信金の山辺さんは悪い話ではないと思いますと言った。そこで何故、海津に、この情報をくれたのですかと聞いた。山辺さんが海津さんが市長からも信頼が厚い。移住してからの事業の成功を見てるし山陰創造社の社長さんでしょと言った。海津は創造社は金儲けだけの企業でなく、やはり地元のため移住者の若者のための会社なんですよと話した。この温泉施設の建設は、その目的に十分にかなう事業だと思うと山辺さんが言った。


 確かに、言うとおりかも知れません。少し考えさせて2-3日中に、お答えしますと言った。翌々日に、海津は、山辺さんに、やらせていただきますので宜しくお願いしますと話した。その後倒産した温泉旅館の木下社長との面会の段取りを取ってくれ、指定された時間に、会合場所へ出かけた。挨拶後、信金の山辺さんが海津の今までの仕事ぶりを木下社長に話してくれた。


 すると木下社長が海津さん、この温泉宿を譲り受けて、地域発展のために役立てて下さいと言った。この話が海津の心に響き、わかりました。何とか頑張ってご期待に添える様に努力しましょうと答えた。温泉旅館の木下社長は高齢で跡取りもいないので海津さんに後を引き継いでもらって、本当にありがたいと、お礼を言った。


 解体費用一切を海津が負担し購入価格は、土地250坪、建物、全部で2千万円、これで正式に契約が成立した。信金の山辺さんと木下社長には山陰創造社の累計利益剰余金があるので融資を受けなくても大丈夫と言った。

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