第26話:レンタルオフィスの再募集(202410-202501)

 海津が、レンタルオフィス40室の募集と開始し、ベンチャー企業やソフト産業の業界紙にも広告を載せ、更に、市役所のホームページにも募集をのせた。またデパートに引っ越したレンタルオフィスの各社のマネージャーに空きが出た事を友人、仲間に連絡してもらった。6月に応募を開始し1週間で65件の問い合わせと30件の入居希望が入った。残り10件となった時点で、翌日に全て埋まった。キャンセルが、怖いので、応募順にキャンセル待ちを15件、受け付けた。こんなに簡単に埋まるとは宮城さんの言うとおりニーズが旺盛なのだと再確認した。


 以前、企業が入居していたので今回はお試し入居はなしと言うことで話を進めた。

 見学のみは了解した。すると、見学したいという会社が25社もあった。見学会もこちらの都合で来週の月水金の3日間限定とした。見学会では、やはり、ネットがつながるかと、スピードを確認していた。一応満足と言うケースが多かった。アパートとオフィスが隣の部屋である事は重要だと言っていた。中にはアパートに二段ベッドを追加して3交代制で24時間稼働したいという企業もあったのには驚かされた。

 それだけ人材不足がひどい様だ。その企業では大企業で時間内に終了できない仕事の後処理を依頼されるケースも多く、そうなると3交代制の方が効率的で収益性も高いと言話していた。


  仕事の時間は、特に問題ないので自分のオフィスで決めて下さいと言った。料金の割り増しはしないと告げると会社のマネージャーは大喜びだった。彼が言うには、大都会では仕事の効率化で労働時間の短縮でどうしても仕事が残る場合が多く、その後処理で、多くの仕事があり、そう言う企業が中小企業に回ってくると言った。今回からレンタルオフィスだけで、その他のサービスは一切なしとした。入居時には創造社から10人のスタッフがレンタルオフィスに出向き異常がないか確認する作業を行うことにした。


 入居は8月からと9月からの企業があり、それぞれに対応した。8月に20社が入居した。特にクレームはなかったが風呂やシャワーなど最低の設備ですねと嫌みを言うマネージャーがいたのでレンタル料金を上げれば良い設備も入れられるのですが、何せ、低料金26万円と言う事ですので、ご了解下さいと言った。これとは反対に、これだけの施設で、こんなに安く利用できるのは、非常にありがたいと言うマネージャーも数多くいた。


 9月に入居してきた人達は第二道の駅のレストラン、居酒屋、喫茶店やバーベキューができる話など、友人から詳しく聞いていて、いろんな人に説明してくれていたので助かった。ただ女っ気がないのが寂しいというお茶目な若者には笑ってしまった。

 そこで、近くで彼女を探して見たら良いのではと言うと、彼女はいるので遊んでくれる女の子がいいなというので、繁華街に行けばいると海津が言った。オフィスが埋まって第二道の駅もモーニング、ランチ、居酒屋、喫茶店も以前通り繁盛し始めた。

 売店部も雑誌や本、文房具、唐揚げなども好評だった。やがて秋になり、冬将軍が駆け足でやってきて今年も雪が例年通り降った。年が明け、今年も家族、山陰創造社にとって良い年であるようにと初詣をした。

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