第15話:役所の経費節減大作戦(202201-202212)

 2022年、市役所へ出かけ市長に年始の御挨拶をした。その後の話で、この市では、移住の支援策のための費用などがかさみ財政が厳しくなっていると、会計からの指摘を受けた。そこでパソコンを使った仕事の効率化と経費・人員削減をしなければならないのでネットオフィスで、良いアイディアを聞き出して、性格を立案して欲しいと言われた。海津が、どの程度の合理化ですかと聞くと徹底的な合理化、人員削減も含めて最大限の合理化を考えて欲しいと言った。実は、今年から市長、三役の給料を下げることを内々に決めたと教えてくれた。また市会議員も、長老には、退いてもらう算段もしているんだと打ち明けてくれた。 


 早急に合理化案を考えますとと答え、市長室を後にした。その後レンタルオフィスの宮城さんに年初の挨拶に行き、市長から言われた話をした。それを聞いて面白かも知れないと言い、宮城さんも常々、役所の非効率的な仕事には辟易したと言った。

今週中に午後、時間を作るから、また、電話してくれと言われた。その後の電話で、平日は無理なので、土曜日の朝から合理化の話をしようとなった。土曜日に宮城さんのオフィスをたずねた。宮城さんがマイナンバーを利用して世界で一番、電子化の進んでいるエストニアのシステムを調べ上げてくれ、それを利用すれば、事務作業は、80%合理化され役場の人間は、電話番と市長と2-3人のパソコンのオペレーターで事務仕事をこなせると言った。


 ただ、マイナンバーのパソコン登録を市民全員がしてくれることが前提条件に

なると言った。特に必要なのはカードリーダでマイナンバー磁気カードを読み取り、

必要な書類を引き出せるし税金の処理もできる。その他、必要なデータを入力する

必要があるが、それは、我々のネットオフィスに任せてくれれば1-2週間で作成すると言った。海津が費用を聞くと役所事務の省力化のデータ入力だけで300万円、

選挙、アンケート集計ソフトを含めると5百万円と言った。ただカードリーダーとか、一部の機械は、電器屋で買って下さいと言った。もしシステムのオペレーションの習いたいなら、研修費は、別に徴収するが、たいした金額ではないと笑いながら答えた。そんなに簡単にできるのですかと海津が言うと、もう数年前にソフト企業では考えていたんだが、政府、自治体、公務員の人員整理につながるので、全く無視されていて、公表もするなと言われているんだよと言い、苦笑いをしていた。


 このシステムが成功したら、多分、財政的に厳しい、地方の自治体にもシステム

を売りやすくなるので、宮城さんの会社だけですすめていきたいと言った。そこで、海津は、別に、それは構わない、こちらは、合理化で市の経費節減で市の財政が良くなればそれでいいと答えた。海津は、すぐに市長に面会して、この話をした。市長は合理化反対する人は私が何とかするから是非すすめてくれと言った。


 合理化案としては、現在の職員数600人→250名、市議会議員数30人→15人、市の人件費72億円→30億円/年、2.5億円/月、パソコン、プリンター、カードリーダー、追加費用:500万円。早速、3役会議にかけ、了解をもらうことができた様だ。

 後日、市長から、合理化案を次回の市議会で、発表した。もちろん議会の反対は、激しく市長の解任決議案を提出して抵抗すると雰囲気だ。そこで、この数年の大家族の移住対策費と、移住者数の増加、レンタルオフィスの開設での移住者増加の実績や今後の市の過疎化、高齢化対策には移住者を増やすしか方法がない事を訴えた。


 その費用が増えるので市役所、人員、議員定数半減するしかない結論づけたパンフレットを市の関係者や、議員全員に配布した。また市役所に大きなポスターを貼り、窓口にパンフレットをおいた。翌月の市議会で、副議長をはじめ、反対の意見表明があり、市長の解任決議案の票決が行われ否決された。


 この結果を受けて市長が私自身、他の方法があれば良いが、今後の市の過疎化、

高齢化対策を考えると、この方法が一番良い方法だと考えると意見表明すると、

会場から大きな拍手が巻き起こった。翌日には、具体的な、パソコンでの行政サービスの受け方、ICカードリーダー・ライターの使い方の教室を週2回、会議室で行う様にした。また、ICカードリーダー・ライターは役場の窓口で2千円で販売した。 更に高齢者に市民課で一緒に手続きを取れる様にした。次回の市議会選挙は

ネット投票で行い、市長、副市長、助役の信任投票も同時に行う事となった。

 市の三役(市長、副市長、助役)は信任され、若手中心の市議会議員が選ばれた。

 事前に、市長からの交渉で古株の議員で出馬を辞退した人が多かった。

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