第8話:第1レンタルオフィス建設(202101-202105)
海津にメールが入り、廃校の中学校とについて何か良いアイディアはないかと聞かれた。廃校になった学校を利用する場合、収益性で考えるなら賃貸のインターネットオフィス+アパートが良いと伝え、オフィスだけでもアパートだけでも短期移住型、長期滞在施設としても使えるようにすると良いと連絡した。更に、時間貸レンタカーや貸自転車をも常備すれば完璧。校庭、スポーツ施設として、宿泊しながら合宿施設としても使えると提案した。
翌日、海津の所に、山田さんから今日、迎えに行くから昼飯でも取りながら具体的な話がしたいと連絡があり了解した。11時過ぎ、山田さんが家に来て昼食をした後、珈琲を飲みながら話をした。山田さんがインターネットオフィス+アパートの案が面白そうだと言った。レンタカーの件も手配できる様にしたいと考えた。その他、合宿施設、長期滞在施設の案も興味深いといった。そこで、どの位の設備が必要かなと言ってきた。それは実際にネット企業、ベンチャー企業にの人に聞かないと、わからないと話した。
すると山田さんが今日、少し時間もらえると言うので夕飯までなら大丈夫と答えた。そこで、早速、廃校の中学へ行った。車で15分の所で駅まで車で20分と不便ではない。中学校は、それほど古くなく手を入れれば何とかなりそうな気がした。
そこで地元の建築屋さんで、安く改修工事してくれるところを知ってるか、聞くと、頼む先はあるというのだ。海津は、そこで役場ではどの位の予算を出せるのか、聞くと1000万円までといった。
それを聞いて海津と山田さんは中学校へ出かけ校舎の中に入り見て回ると鉄筋コンクリート3階建て、築40年で大きな亀裂や床も問題なかった。2、3階に上がって廊下を歩いたり、階段も上り下りしたが異音もなく、問題なかった。海津が、実際に建築屋さんに実際に見てもらったらと言うと、山田さんが、その時に、一緒に来てくれないかというので、了解し、平日の昼間なら良いと伝えた。
同じ週の金曜日の昼に会って昼食をとって14時~16時というに決まった。山田さんが迎えに来て昼食後、以前、市で仕事をお願いした池田建設を訪ねた。池田社長が会ってくれ、会社の山川部長に同行するように言ってくれた。その後、山田さん、海津と共に、3人で、現地に出かけた。中学校に入り、30分かけ数人で学校の外側と内側を調査した。そして山川部長が大きな損傷はないようですと言った。
山川部長が山田さんに、役場では、どの程度の改修を望んでるのか聞いた。山田さんが、最低限の塗装とトイレ、水回しの修繕、浴室とシャワーを2つ作りたいが、いくらかかるかと聞いた。次に、海津が、浴室の要望は、間仕切りと最低4人以上入浴可能な大きさの浴槽ですが展示品でも程度のいい中古品でも良いといった。山川部長が合計で1000万円と言った。
海津が、そんなに高い訳ないでしょと言うと、怪訝そうな顔で1000万円以内でできると言い直した。海津が、もし浴槽、テーブル、椅子など探して来るから、間仕切りと設備工事だけ頼むとしたらと再度、聞き直した。そんな工事した事ないから、急に言われてもと担当者が口ごもった。ご存知の様に町の過疎の対策で廃校を再利用してインターネットを繋いでレンタル・インターネットオフィス+アパートの施設に作り替えようと考えてるんです。海津は、協力して欲しいと役場の山田さんに頼まれて、アイディアを出したんですよと大きな声で言った。
あなたの会社も地元の発展のために協力すべきじゃないんですかと言った。すると、あわてて山川部長が池田建設に電話をかけ始めた。それに対して、山川部長は、そう言うことですかと言い、でも本当に都会の人が来てくれのですかと言った。そんな事とやってみなけりゃわからい。ただ最善の案を出しただけですよと言った。予算を立てて、都会のネット企業や多くの企業、団体に会い、ニーズがあるかどうかは、調査しに行くつもりですと答えた。
会社の社員を数人呼び、写真を撮って、もっと詳しく見積もりを立てますと言ってくれた。少しして、3人の男がやってきてカメラを持ち出して手際よく写真を取り始めた。話は分かりましたので、池田社長と話して備品代、修繕費用、水回り、風呂、ガス、電気の設備の詳細な見積もりを出しますと言ったので、海津は、先に帰った。
その後、山田さんと出張の打ち合わせをして海津の知っている人脈で会ってくれる会社、団体をリストアップする事を約束した。山田は郵送で資料を送る先を選定するから後日、海津にチェックしてくれるように頼んできた。海津は協力を約束し来週にも面会約束を出張訪問しに行く事になった。出張先は東京、横浜に決まった。自宅まで送ってくれる車中、山田さんが海津さんてやり手なんですねと言い、また協力お願いしますと頭を下げた。海津はわかりました、こういう新しいプロジェクトは大好きですから絶対に成功させたいので全面的に協力するといった。
自宅に帰り、役場至急の携帯電話で自分の仲の良い友人や同僚、先輩に情報収集のために電話をかけた。ベンチャー企業、IT企業、学校のクラブ、裕福な中高年のグループなど20件ほど紹介してもらった。翌日は、朝から紹介先に1件づつ電話をかけた。ベンチャー、IT企業は全社とも興味があるらしく詳細が決まったら資料が欲しいと言われた。その中の一社の宮城マネージャーが、そう言うプロジェクトを望んでいるIT企業の団体の役員をしているので30部、送って欲しいと言われた。
学校の事務は一応、資料は送って下さいと言われた。中高年のグループは、興味あるけど、完成したら紹介してもらうと言う事で良いですかと言った。先の話ですが、もし来られて良かったら、その情報を使用しても構いませんかとたずねると善し悪しは、はっきり言いますけれど、良いですかと言われてもちろんですと答えた。
夕方に役場の山田さんに伝えると、
「もう終わったんですか、できるセールマンは、事が早いね」と驚いていた。早速来週の月曜日から3泊4日で出張計画をたてますから切符と宿の手配をお願いしますと伝えた。山田がいつまでですかと聞くので1時間後に詳細を連絡しますと答えた。ありがとう頼りにしてますと弾んだ声で喜んでくれていた。計画をたて、海津の予定をプリンターで五部、印刷して、女房と役場、道の駅の社員に配る様にした。山田さんに一報としてFAXで出張先と訪問先のスケジュールを送った。すぐ、山田さんから電話が入った。
ホテルはどうすると言うので
「駅前の安いビジネスホテルかまわない、経費節減で行きましょう」と言い、
「少し駅から離れた所でも駅前に迎えに着てくれるホテルなら良いと言った」。
「山田さんが恩着きるよ、またどっかでおごらせてくれよと笑ってた」。
「そこで、これから激務が始まるから体調崩さない様にしておいてと伝えた」。
「はい、わかりましたとおどけていったのでお互いに笑って電話を切った」。
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