第6話:粉もんで儲けよう(202004-202009)

 そして海津良子さんが、粉ものの販売を提案してきた。お好み焼きとピザだった。

 ピザと言っても実際にはナンであるが、トッピングにサラミ、チーズ、ベーコン、

野菜をいれたミックスピザを電子レンジで作るというものだ。海津良子さんは自宅でも中力粉でミックスピザ風のナンを作っていた。他の職員にも教え3月中旬から試験的に販売することにした。そのために三つ叉ガスコンロと電子レンジを増設した。


 実際に海津夫婦がビザ風ナンを中力粉と調味料とイーストをいれて熱湯で粉に、湯を含ませてパン生地のように練っていく。1kの中力粉で24枚のピザ風ナンができあがる。翌日から10時から15時までの試験販売をする事にした。海津がの配合表とレシピを作成して料理係に渡した。9時から中力粉と砂糖とイーストを配合してもらい海津が配合した粉を金属ボウルにいれ、湯を足しながら練った。適当な柔らかさになったらところで、熱湯の入ったフライパンの上に練った生地の入った金属のボウルをのせて、ボウルに硝子蓋をして待つこと二十分で一次発酵終了。


 それをナイフで12等分して、更に、それを半分づつの小さな球状の団子にして

薄めの濡れフキンをかけ10分で二次発酵終了。発酵終了した団子をビニールシートの上で円状に薄く伸ばしていく。伸ばした薄い小麦粉の円板をフライパンに乗せて、少し焦げ目がつくまで焼く。同時に三つのフライパンで手際よく焼く。焼けたピザ生地から、あらかじめ切っておいた具材の野菜、ベーコン、チーズをのせて電子レンジで三十秒。チーズがとけたら完成。


 終了まで約1時間。注文が多くなれば、あらかじめ焼けたピザ生地を多く作っておく方が効率的だ。その週の土曜日は8時に早出して9時にはピザ24枚完成、その後連続して10時までに24枚製造。10時過ぎるころから、お客さんが増えてきてピザの注文が増えて特に持ち帰りの人が多くなった。そこで11時、12時と連続して48枚焼いた。合計96枚。昼過ぎからもピザの注文が増えて、15時過ぎには全部売り切れた。ピザ売切れの看板を掛けて終了した。


 今日の反省会でピザの製造の中で中力粉の練りに力がいるので交代した方が良い事、はがし粉が飛び散り、汚れるというのが問題になった。掃除するために掃除機が必要という事になった。そして土日祭日は1時間早出し午前8時から午前中に96枚製造した。売れる数量を見て使い製造をしていくとして、もし製造が間に合わない様であれば販売終了の看板を出すしかない。翌日の日曜日も開場までに48枚用意した。10時に20枚売れたので、お昼までに24枚製造したが売れ行きが良さそうなので連続して48枚製造した。15時過ぎにすべて売り切ったので販売終了の看板を上げた。120枚で12万円の売り上げだった。


 まず拡幅工事後の売り上げは予想通り、汁物を丼物中心に対前年五割増だった。

 売れ行きは予想通り順調。最後に海津から今年の2020年4月以降はお客さんの

増加を前年比5割増とすると職員を10名増員しないと難しいし、夏休み中は更に、10名、計20名の人員は必要だと言った。正職員、又は季節職員、学生さんのアルバイトでも良いから増員を真剣に考えてほしい欲しいと要望が出た。


 ついに桜の季節を迎えて観光客が増え、ピザは土日祭日は192枚製造した。

 土日祭日の忙しさは、特にひどく、アルバイト職員を平日から土日祝日に

変更できるように要請した。ピザの注文が多いので2グループ制で1時間に48枚の製造体制のテストをした。翌週の土曜から早出して昼までに192枚作り。お昼までに全部売れた。そこで在庫が残ったら職員が持って帰っても良いから連続して昼過ぎからも192枚製造するよう指示した。


 15時半時点で、残り枚数12枚、午後4時で3枚となり、全部売れた。

 192枚、19万2千円。一品でもちろん最大であり昔の一日の売り上げに

相当する金額だ。今年から導入した百円コーヒーマシンも好調。ピザを食べるときにコーヒーやコーラ、ジュースも売れまくった。ピザは全体の3割程度が持ち帰り。

 原価率から言うと、お好み焼き、ピザなどの粉物の収益率が一番良かった。お好み焼きも多くの種類を用意して販売して好調だった。2019年から比べても原価率は半分以下になり、その分、純利益は昨年の数倍になった。

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