第157話 落とし穴

落とし穴

まさしげの方からに言付けがあったのだろうその場ですぐに受付担当が私のもとにやってきて


「 エレメントマスターのファル様でしょうか」確認される


「私がファルです」と ギルドガード を見せながら 答える 受付担当は紙を見せてきたその紙には


「ルシアーナ姫から依頼金の受け渡しがありました」と書かれてある 節穴ひ・・・。 ルシアーナ姫とはおそらく と言うか間違いなくあの姫様のことだろうと思う 確かに節穴・・・。失礼 。今まではわがまま放題に育てられてきたので このような現実的な恐怖を味わうこともなくぬくぬくと育ってきたお姫様なのだ


今回のことはよほど堪えたようで 心を改める良いきっかけになったのであろう 今までは散々馬鹿にしていた亜人達にしても たった30人ほどの亜人たちの集団に 彼女が 絶対の信頼を置いてきた聖騎士たちが叶わないと言ったのである


さらには 鉄壁の壁だと思っていた自分の住まいである城が たった一人の雀乃亜人によって 紙の家のように潰されるそんな現実に思い立ったのである

今まで常識だと思っていた現実が全て破壊されて そこに言われた約束事が私 にはとても新鮮だったのである


ファルとしては ごく当たり前の日本人としての 考えであったが 今のこの世の中についてはそれが全く当てはまらないはるか昔の日本のような現実だったのである


有名な言葉に

「汝殺すことなかれ」

とある 聖書に書かれている有名な言葉であるが 殺すな犯すな盗むな こんな当たり前のことが 常識的に破られるような世界なのである ファルも日本人として この聖書の言葉を聞いた時に何を当たり前のことを書いてあるんだと思ったようだ

がそんな当たり前のことが守れないような世の中であったのである昔は。


現代日本でも守れない人は多いようだが ・・・。ファルとしては何気ないアドバイスをしたつもりであるが


差別の 少ない世界 警察組織の刑罰のしっかりと整った世界


そんな国を目指してこれから頑張っていく節穴 姫様は 後の 世代から 名君と称えられる存在とまで成長するのである

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