第13話 陥 穽
アイテムボックスについては自分がどのスキルを持っているのではなく そういったことをしている人を見たことがあり そのようなスキルがあることを 知ったと話した。 ただ現場で 結構当たり前の常識をたずねている人間がそういった質問をした ことで あまり説得力がない説明となってしまった。
アイテムボックスの珍しさについてはこのスキルがギフトであり 神様からの賜り物であるということである。 ギフトは持っている人間が滅多にいない。ギフトを持っている人間は 数千人に一人の割合で本当に少ない。ただ、アイテムボックスはギフトとしては 比較的 数の多いスキルとなっているそうで、物資の流通の観点からが比較的所持している人間が多くなっている とのこと。神様も流通については重要視しているそうだ。なので、最も 多く 現れる ギフトがこのアイテムボックスである。
それからその日は話をしながら 道をひたすら進んでいく モンスターについては これぐらい大きな馬車に乗っていれば あまり近寄ってこないそうです。 またこの辺りにはゴブリンが角うさぎしかおらず、 稀にオークと言った 大型モンスターが現れるそうです 。ただそう言ったことは年に一度あるかどうかといったレベルで ほとんどないそうです。 強いモンスターについては森の奥の方に行くと いくらでも強いモンスターが出てくるとのことです。
その日は道を進んだまま日が暮れてしまいました。 日没後に 3人で食事をとることになりました。 うさぎを3匹も渡していることもあり
「食事については サービスする」
と言われ 、言葉に甘えることにしました。 先方からの
「情報料と 言ってもかなりただ単に世間話をしていただけたので そんなもので金銭はもらえない」
と言われた。なかなかに良心的というか異世界人のやさしさを感じた。
カインさんとアベルさんが調理をするので
「 周りを見ていてほしい」
と 頼まれた。 なので周りの偵察をすることにしました。 しばらくして
「食事ができた」
と知らされたので 二人のもとに行くと 簡易的ななテントが張ってありその横に3にんぶんの料理が並べてあった。 料理といっても 野菜のおいたスープと ウサギの肉を焼いたものが置いてあるだけであった。 3人揃ってさあ食べようという時に ふいに鑑定スキルが働いた。
自分の前の料理を見た時に
「 野菜スープかっこ睡眠薬入り つのうさぎの 焼肉かっこ睡眠薬入り」
と表示された 。正直びっくりして、
「あああああ~!これあかんやん」
と思ってしまった。 びっくりついでに 二人に 目を向けるとこちらも鑑定スキルが働いて
「名前、年齢、と書いてある下に 職業 奴隷商人と 人買い さらに 行商人」
と 記載がある。 今までは人に対して 鑑定スキルを働くと言う 意識すらなかったので 見ていなかった。しかし こんなことになるなら最初から見ておけばよかったと後悔した。
それなら分かった瞬間にこのままではいけないと思い 右手をお尻の方に回し アイテムボックスから アトの実を一つ取り出す。 そしてそれを背中越しに 二人の背後に投げる 。すると 二人の背後で 音を立てて実が落ちる 。二人の意識が 音の方に向いている間に素早く 焼肉をカインさんのものと交換し、スープをアベルさんのものとあわてて交換した。 交換した後はわざとらしく
「私が様子を見てきます。」
と言って 音のなった方向に走って行き 投げた実を回収する。 そして
「 何もいませんでした。」
と わざとらしい芝居をして戻ってくる。
「 そして美味しそうなご飯だ」
と一声掛けてから
「食事にしましょうか。」
と 二人を誘う 3人が座ったところで 鑑定スキルをもう一度発動し睡眠薬入りの食べ物が 自分の前にないことを確認してから食事を始める 。もちろん日本にいた頃はいただきますと言ってから食べていたが ここではあえて言わないことにした。 様子を見て二人が食べ始めるのを見てからこちらも食べる。 ふたりは食前の言葉はどの何もなく美味しそうだと言って食べ始めたので食前の言葉などは無いようだ。それを見てから私も食べ始める。
食べながら二人とこれからのことを相談すると、交代で見張りをして順番に眠るそうだ。朝になったら出発して、大体昼過ぎには村に到着する予定だそうだ。
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