第8話 アローン

しばらくウサギ肉で空腹を紛らわせながら歩いていたがやはり危険を感じたので 近くで見つけた高さが30 M ほどありそうな木に登ることにした。 10 M ほどの高さまで上り枝に お尻を乗せ そのまま体を休めることにした。体力増強スキルのおかげか簡単に登れた。日本にいたことの自分では考えられない。そして、木の幹に絡みついていたつを引きちぎり 体を木の幹と 結びつけ 、足と 太めの枝を結びつけ、 落ちないように体を固定する。


遠くから獣の鳴き声が聞こえ 恐ろしい夜がやってきた。 だがしかし 近くまで獣のようなものは近づいてくるところまでは見えるが こちらに気づかないのかもしくは木に登る手段がないのか こちらに近づいてくる様子はない ファイヤーボールで攻撃して仕留めようかとも思ったが やぶへびになっても怖いのでやめておく。 こちらには近づかずにあたりをさまようだけでそれほど危険な感じはしないので そのまま木にしがみついたまま体を休める。













「ばかたれ危ないことをするな」


どうやら ツッコミを入れているようだ 。

「方向指示器のつけずに突っ込むな 危ないやろ! 大体指一本ちょっと動かすだけで方向指示器なんか簡単に つけることはできるやろ!お前は何をやっとんねんこのバカタレ」


どうやら持ちネタのツッコミを入れているようだ 隣を見てみると兄が とても馬鹿っぽい顔で、すがすがしいほどに馬鹿っぽい顔で


「俺は自分の思う通りに生きる。 人のために指一本など動かしてもやるものか」


と偉そうなことを言っている。 かなり馬鹿っぽい というか バカだ。 どうやら夢の中で兄にツッコミを入れているようだ。


「ばかたれ!!指をちょっと一本動かすだけで 安全に車線変更できるんやろ そのくらいせんかい」


頭を叩きながらツッコミを入れているのは僕の役目だ。 夢の中だが兄に会えてとても嬉しい。 そこで兄が またボケる


「この俺様が何でそんなことせなあかんねん」


そこにすかさず突っ込む


「 何が俺様じゃ 方向指示器をつけるのは 道路交通法で決まっとるんや 馬鹿たれ」


「何が道路交通法じゃあ俺様が法律じゃ」


「 指一本ぐらい動かしたれこのバカタレ そんだけの事がめんどくさいのか」


夢の中で我々の兄弟の定番の持ちネタを演じている。そんな夢を見ているようだ。 なにげに突っ込みすぎたのか右手が痛い。


そんな右手の痛みで意識が覚醒してくる。 目が開いて周りを見てみるとどうやら木の上で寝ていたようだ。 落ちないように体を 木の幹と縛り 足を木の枝と縛り付けて 固定している。 どうやら落ちなかったようだ。 右手を見てみると 右手に変な蜂のような虫が止まっている。 赤と黄色と黒ととってもやばいよの明らかに毒を持ってますよと言ってるような変な虫である。見た目はスズメバチにそっくりである。


「 痛い痛い痛い痛い痛いててててててて!!!」


思わず右手を木の幹にぶつけて変な虫を潰す。

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