第9話

バーさまが通ってるディセンター併設の施設でのお話しもちょっくら聞いて下さい。

お時間もないようですので、さっそく始まり~



今朝はノリさんが早出。

薄暗い廊下をふらふらふらふら歩いてるじーさまにギョェェエエェェェエエ~!!とビックリ!!

落ち着いて…落ち着いて」


「まだ早いからお部屋に戻りましょ。」

「朝か?朝なんか?」

「はい。まだ早朝です。まだ薄暗いでしょ?」

「早朝?4時か?5時か?」

「いえ……6:30です。」

「早朝ちゃうやんか!!早朝とはなぁ……………」

なんたらかんたらと話しが長引きそうなので早々にお部屋へ・・・



やっと着替えて更衣室から出た薄暗いところに今度はやっちゃんバーさまが・・・

しかも!!

「バァー!!」って・・・バーさまがバァーって・・・

またまたビックリしたわ!!

「まだ6:40なのでお部屋で待ってて下さいね。」

と、小声で密やかに言うと

「は?何。聞こえん!!もっと張りなさい!声を!」

だからー

「まだ6:40なので……………」

あっ!私の張った大声が廊下中に響いてしまった・・・

ドキッ!!



2階に上がると次はずーっと突き当たりにみっちゃんバーさまが立ってる・・・

ドキッ!!まだまだ薄暗いので今朝3度目のドッキリ!!

こっちを向いて手を振ってる。私も手を振る。

「バイバーイ!おやすみなさいー」

「いえいえみっちゃんバーさま!朝ですよ!朝!おはようございます。」


その日の夕方もドキッ!!

またまたみっちゃんバーさまが手を振ってる。

私も手を振る。

今度はちゃんとバイバーイ・・・かと思ったら・・・

おいでおいでをしてる・・・

何かと、行ってみると

「もう薄暗いし気をつけて帰って下さいね。

もう、気が気じゃないわー心配するわー。」

「あっ、ありがとう。みっちゃんバーさまもゆっくり休んでね。おやすみなさいー」



その時スグ横のお部屋から

「ちょっと~ちょっと~ちょっと~」

と、呼ぶ声が。

「ハイハイハイ」

「ちょっとーちょっとーちょっとー」

「だからハイハイハイなんですか?」

「ちょっとーちょっとー!!」

「もういから……なんですか?」

「ちょっと首が痛いねん。」

よく見るとアイスノンが枕から落ちて首にふちが刺さってる・・・

そりゃ痛いわ。

「あれ!ごめんなさい」

慌ててアイスノンを枕の上に。

「まだ痛いねん。」

「もう、大丈夫ですよー。」

「いや、まだまだ痛いねん。」

「もう、治りますよー。」

「イッターイ!!イターイ!!イタタタタ!!」


・・・・・


「朝ごはん食べましょう。」

「はい。お願い。」



ナースコールあり!

「はい!どうされましたか?」

「あ・あのー……」

「はい。どーされましたか?」

「早く来て!!」

「はっ、はい!!スグ行きます!」

ドタバタドタバタ!

コンコンコン!!

「失礼します!どうされましたか?!」

「エラい早かったなー息切れてるでー」

「で、なんですか?」

「今、何時?」

「時間だったんですか?ナースコールで聞いてもらっても良かったんですよー。あっ!今、私時計持ってません!すみません。」

「あ!私のとこに時計はあるのよ。」

タンスの上にはおっきなおっきな目覚まし時計が・・・

そしておばあさんの腕にも立派な時計が・・・

「ちょっとそれ見せて下さいね。今、ちょうど3時ですね。おやつの時間です……」



またまたナースコール。

「はい!どうされましたか?」

「あの……もしもし…もしもし…わたくし503号室の所々(ところどころ)と言います。

聞こえます?

あ、いつもお世話になっております。

ちょっと来て頂けないでしょうか?

あ!あなたのお時間のある時でいいですので…いつでもいいですので…申し訳ございませんがよろしくお願い致しますです。」


な、なんて丁寧な・・・いや、丁寧すぎるナースコールなんだろうか!こんなナースコールもあるのか・・・






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