第7話
ラッキー7話。
ちょっとここらで休憩していつもバーさまが行ってるディセンターでのひとコマを。
楽しくおもろいひとコマを。
飲み過ぎか…はたまた風邪か…今日は咳が出るーと、ディセンターのスタッフのヤスさん。
しかし入浴介助、入浴介助!
目の見えないジーさまの入浴介助。
が!あったまった浴室ではよけい、咳が出る……止まらん!!
うーーーくるじいーーー!!
「大丈夫ですかぁ~」と、ジーさま。
「あっ!だっ、大丈夫です。すみません。
あ!お湯加減大丈夫ですか?」
「ワシは大丈夫や。あんたやあんたは大丈夫か?咳!咳!」
「マスクもしてるので大丈夫です。暖かくなるとノドが痒くて痒くてゴホゴホオェェェェェと。すみませんです。」
「イヤーそんなに咳が出るのにハダカでお風呂は大変な仕事やなー」
「は?へ?わっ、私は入浴用の速乾の服を着てます。ハダカじゃないです。」
「ほ?お風呂に服来て入ってるんか?
速乾かなんか知らんけど。ハダカやろ?普通お風呂は?」
「は~~~普通、お風呂はハダカですよねー確かに普通は……」
「そーやろ?ハダカやろ~?」
「いえ、しかし私の場合、入浴介助ですので服来てます。速乾です。」
「なーんやぁ……そうやったんかいな。今までもずっとハダカやと思ってたわ……」
「そうだったんですね……なんか裏切ったみたいで……いや、別に裏切ってはいないけど……なんかすみません。」
別の日。
「そこに人が立ってるやろ?どなたさん?どこからいらしたか聞いて。」
と、お部屋に入るなりイキナリ言うジーさま。
「人?どこに?は?」
「そこや!そこ!」と、指さすジーさま。
「いえ、誰もいません。」
「そこやでーいてるやんか!」と、声がおっきくなるジーさま。
「いや、やはり誰もいません。」
「足元!!」
「いえ、誰も……」
「もーええわ!!見えんのかいな!あんたには!!」
と、全盲のジーさまに言われました・・・
「うううっ……私には見えないんです…」
また、別の日。
「ちょっとー今、そこに立ってる子供がボール投げてきたでー!あかんで!って言うてんか」
「は?今日も誰もいないんですが……いえ、私には見えないんです……」
「あーまた、あんたかいな。あかんなーあんたは……」
「すっすみませんです。」
また、別の日。
「おいおい!子供がワシの布団の上でピョンピョン跳んどるでー」
「いえ、今日も……」
「今日も見えんのかいな!ほんまにあかんなーなんで見えんのかいな?そこにいてるのに…」と、全く納得いかなそうなジーさま・・・
今日もごめんなさい~
昼食時、食堂でみなさんが美味しく(たぶん……)召し上がっているのを見守っていると1人のバーさまがおいで、おいでをしているので行ってみると、
「あなたはあそこにつっ立ってるけど食べないの?」
「私は後でお弁当を食べるから大丈夫ですよー。」
「お弁当?毎日毎日作るの?」
「はい。簡単に……残り物や冷食で。」
「まぁ~~~食べてみたいわぁ~いえいえウソだけど……でも食べるの遅くなるわね。ここで出してもらってみんなで食べれたらいいのに。
あ!私の食べて。もうお腹ペコペコでしょ?残り物で悪いけど……結構残ってるから食べ食べ!早く食べて。」
「いえいえいえ私は頂けないんです。お気持ちだけ……」
「そんな固い事言わんと食べたらいいよ~誰も見てないし……はよ食べ~~~!」
・・・
見守ってるスタッフが思いっきり見てますやんか・・
「ちょっとちょっとあのなー私とこの人、あんたのファンやでー」
「まぁ~それは嬉しいです。ありがとうございます!」
(あんたじゃなくてヤスさん。って呼んでほしいなー)
「あんたのなぁー白いうなじが好きや~~~キレイやわぁ~」
「まぁ、お恥ずかしい……入浴介助だったので髪をくくってました。ファンクラブ出来ますかね~」
「は!?ファンクラブやて?それはムリやろーそこまで望んだらアカンでー」
「そ、そうですか……そうでした。取り敢えずこれからもよろしくお願いします。うなじを……」
「ちょっとちょっと、このおまんじゅうあげるわ。」
「いえ、貰えないんです。すみません……」
「あげるってば!今、お腹いっぱいで食べられへんねん。残しといたらどーせ捨てるんやろ?もったいないお化けが出るでー
捨てられる前にあんたが口の中にポィって入れたらいいんや。さぁ!!お口開けなさい。」
「いえいえダメなんです。ムリなんです…」
「もーーー!!融通きかんなぁ!じゃあそのエプロンのいっぱい付いてるポケットにポィって入れとき。」
「あーーーすみません。それもダメなんです。」
「ほんっまに融通きかん子やな!!」
あーーー怒らせてしまった・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます