第15話 混沌、教室

 私は士道・京香は予鈴を聞き、ヤツの詮索は後回しにして急いで一足先に教室に戻りまして。皆に軽く挨拶をすませましたわ


「皆さん、ごきげんよう。私の席はどこかしら?」


 私が悩んでいると幸次さんが、指で指して教えてもらう


「えーと、その後ろの席じゃないかな? 新しいし」


「ここですのね。ありがとう幸次さん」


「どういたしまして」


 一番後ろの真ん中に近い席、このクラスの生徒を見渡せて戦力を分析するのにはもってこいですわね、と考えて席に座ると、廊下で何か騒ぎが起きたのか、先生の怒鳴り声が響いてきます


「こらあなた達! 何してるの、早く教室に入りなさ・・・。武藤君!? その背中の破廉恥な物体と背後霊は何なんですか!?」


 なんとなく察しがついて、幸次さんとたわいもない会話を楽しみ


「破廉恥な物体ってヤツの事のですかしら?」


「あいつ着替えないでここまでついてきたのか? 大胆だね。クラスに乗り込んで来た時も、汗で微妙に透けブラしてたしなぁ・・・」


「貴方の思考もハレンチですわよ」


「こりゃ失礼」


 幸次さんと話していると、何やら藍人さんと里香さんが疲れた顔で入ってきましたわ。そして藍人さんが幸次さんと話しながら彼の後ろの席に座り


「おい幸次、裏切り者~ぉ」


「ハハハ、その顔を見るに、ここまで来るのに苦労したみたいだな」


「まるでヒュドラに絞殺されそうなった時を思い出したよ。おまけに後で職員室に呼び出しだ、隣のクラスは自習だと」


「あ、いいなぁ」


 会話する二人を何となく見ていると、間に入る様に里香さんが私の隣に座った


「あ、士道さん私の席の隣なんだ。よろしくね」


「はい、よろしくお願いします里香さん」


「キーンコンカーンコン♪」


 チャイムが鳴り響き授業の開始を知らせる。のだが先生が見当たらない


「あの? 先生がいらっしゃいませんが?」


 私の疑問に隣の里香さんと疲れて気怠そうにしている藍人さんが答えた


「数学の授業だから海阪先生か、ルーズな先生だから」


「もうすぐ降臨なさるぞ」


「ふふ、降臨って、神か何かじゃないんですから」


 藍人さんの軽口に笑って応えると。突如、教卓の上部から光がさし


「な、なんですの!? まさか本当に・・・」


「ピィィィィィィィィカァァァァァァ」


 そして光の中から神々しい物体が静かに下りてくる。その姿は透明感があり、自らの身体もわずかに発光しているようだった


「ウネウネ・・・」


 そして、大きな傘の様な頭部で、その下から無数の触手生えていてウネウネとうごめいている。そしてその手(?)には光線銃の様な物が握られていた


「宇宙人だぁ~~~!?!? とっても火星出身ぽい宇宙人が現れましたわ!」


 混乱して叫ぶ私にその先生(?)は静かに言いました


「クラゲです」


「あ、はいそうですね」


 ”そうですよね。どう見ても海洋生物ですよね・・・。わたくしったらはしたない”


 と納得してしまいそうになりましたが


「なんでクラゲが教師を!?」


 私の驚きの声に先生は笑って応えた


「キミが転校生の士道君だね? 僕は数学教師の海阪うみさか・ヒロシって、言うんだよろしくね」


「え、ええ。よろしくお願いいたします海阪先生・・・」


「いや~、前々から骨のない人間って言われててね。・・・本当に骨を抜いてやったら意外と快適でこの姿のままなんだ。驚かせてごめんね」


「元人間!?」


 意外と気さくに喋るこの教師は続けてた話しかけてきました


「でもできる教師っぽいだろ? 人気漫画の教師みたいでさ」


「すみません、わたくし漫画は読んだ事なくて」


「そうなの? じゃあ今度貸してあげるよ。 席は一番後ろみたいだけど大丈夫かな? 前の人と席変わってもらう?」


「いえ、大丈夫です先生」


「そうか。じゃあみんな、授業始めるよ!」


 海阪先生は手に持った光線銃を電子黒板に向けて発射し。文字を書いたり要点をレーザーで指したりして授業を進めて行った


「あの光線銃、教鞭でしたのね・・・・」

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