第12話 強者を探して、お花摘み
私は士道・京香。転校初日にいきなり別の転校生に決闘を吹っかけられてカラクリに乗せられて戦闘し、そのあげく別の生徒に敗北すると言う醜態わさらしてしまいました
「まったく何なんですの? でも期待通り・・・いえ、期待以上ですわ」
流石は人外魔境と名高い魔修羅路学園、強者を求めて転入して来た甲斐がありましたわ
「お姉様・・・、貴方のお隣に立つために京香はここで強くなります」
先ずは私を倒したあの男、武藤と呼ばれてましたわね。今奴は医務室に居るはず、彼の強さの秘密を探りに行かなくてわ
「その前に・・・・」
私はトイレに行くことにいたしました
「流石に、この学園でもトイレは普通・・・・。え?」
女子トイレに個室の扉を全開にして、どうどうと用を足す女生徒が居た
”このわたくしが、視界に入れるまで気づかなかった!? この方は一体・・・”
「・・・・・」
私とその女生徒はにらみ合い、しばらくの沈黙の後。私なその女生徒に語り掛けました。このただならぬ空気、けっして気のせいではありませんわ
「あの…、扉を閉め忘れたわけでは・・・ありませんわね? 勝手に閉まらないようにしてますし」
「そうだ、わざと開けている。・・・・それより早くどいてくれないか?」
「え?」
戸惑う私にその女生徒は強く言いましたわ
「わたしの退路に立つなと言っている!!!」
「退路!?」
その言葉でわたくしは確信しましたわ。お花を摘みながらも警戒を怠らないこの女、私と近い存在・・・いつ何時も気を抜けない修羅場を生き抜いた者!
「ふ…」
この女生徒は動揺する私を見て何かを察したのか、小さく笑った後にこうつづけましたわ
「混乱している様だな・・・。なぜここまで警戒しているのもかかわらず、男子トイレでは無く、個室が多く隠れる場所が多く危険な女子トイレで用を足すことに甘んじているかを!」
「はっ!?」
その言葉に私は驚愕し
”確かにそうですわ! 女子校通いだった私は気づけませんでしたけど・・・・。いいえ、それは言い訳ですわね”
女生徒の言葉にさらに驚くことになりましたわ
「わたしも初めは男子トイレで用を足していた・・・。だが!心無い奴らの苦情が多くなり対策をとられてしっまったんだ!」
「その対策とは!?」
「全男子トイレにゾンビステッカーが張られてしまったんだよ!」
「ゾンビステッカー!?」
「そうだ! 人のトラウマを容赦なく利用しやがって・・・・くそう!」
私にとってはくだらない理由ですけど、本気で暮悔しそうに語る女生徒にこう思いました
”え、そんなものを張られたら確かにお花を摘みにくいでしょうけど。お化けが苦手とか? 意外とお可愛らしい”
そして女生徒は穏やかな顔で私に語り掛けた
「キミも極限状態で生き残る心得があるようだね。この学園では自分の力を過信してしまって、これらの細かい気配りを理解する者は意外と少ないんだ。よかったら名前を教えてもらえないかな?」
「士道・京香ですわ、今日転校してきましたの」
「キミが初日に決闘をはじめた転校生だったんだね。ごめんね見に行けなくて。人が多い場所は出来るだけ避けたかったから」
「いえ、お気になさらず。貴女の名前は?」
「わたしの名前は・・・」
「ドカドカッ!」
不意に争うような物音がしそちらに意識が向いてしまい
「この音…、医務室から? あ!?」
あの女生徒はいつの間にか姿を消してしまっていました
「騒ぎを察して物音を出さずに逃亡。流石ですわね」
そう呟いてわたくしは・・・
「でも、ちゃんと流してくださいまし・・・・」
「ジャアアァァァァァァ・・・・」
トイレを流し、女生徒の残した物を始末した後、自分のようをすませました
”あの方はあの方、私は自分のスタイルを貫かせてもらいますわ。人間…動物であろうとも動くものに反応しやすいもの! 騒ぎが起きたからといって下手に動くのは目だって危険!”
自分の個室を確保し扉を閉め、私はいつも道りに
”紅茶を音をたてない様、静かにたしなむ様に。下から覗かれても足が見えぬようちゃんと上げつつ。攻撃に対応できるように居合と合気道、インドネシアの武術シラットなどを参考にした座位からの戦闘を視野に入れ編み出した難攻不落の防御の構え”
「座禅スタイル・・・。これぞ淑女のたしなみ」
そうして私は、肥やしを始末し自分のお花を摘み終わった後。当初の目的にしたがい医務室へ
「騒ぎの正体が分かりませんし、警戒しませんと。失礼します!」
慎重に扉を開け、初めに目にしたものは!
「大丈夫だ、これから遠慮なく技名を叫べるように・・・僕と契約してエスパー魔法少女になってよ! 契りを結ぼ☆ 中村♡」
「それは遠慮します」
決闘に出ていたあの魔女っ娘男子と他の男子生徒が抱き合ってる姿だった
「ふけつ・・・・」
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