第8話 ほねおりぞん☆デンジャラス

 士道の攻撃を受け体勢を崩す藍人の機体。だが見た目よりもダメージは無い様だ


「よっこらしょっと!」


 藍人が機体の状態を必死に立て直してる所に、司会がと解説の2人は他人ごとの様言っていた


「おお、武藤選手の機体は見かけによらず丈夫ですねアキバ博士」


「機体を被っているミラーコートが攻撃を受け流したのでしょう、うちの部の自信作です。まあ、見た目が派手過ぎて軍からは不評でしたけどね!ハハハ!」


 ドクターアキバの解説を聞いて士道が毒づいた


「あの銀の装甲は飾りじゃありませんでしなのね。ならそのメッキごと削りきるまで!」


 「バン、バンバン、バァン!」


 容赦のない士道の射撃に藍人は飛び回って逃げ回りながら司会に抗議した


「うわあ!こっちは救助者を抱えてんだぞ!試合止めろ!!」


 すると素っ気ない答えが返って来た


「パイロットスーツ着てるから大丈夫でーす。その場で投げ捨てちゃっても問題ありませんよ」


「・・・・え?」


 それを聞いて絶句する武藤、そして追い打ちをかける様にドクターアキバが言った


「戦闘機だって脱出したらパラシュートが開くだろうに。我々が操縦者が空中に放り出された時の対策をしてないとでも? そのスーツについてるメカパーツは何だと思ってたのかね武藤殿!」


「・・・・なるほど」


 ”そりゃ、安全対策はしてますよね” と思いながら困った目をした武藤が視線を落とし明海を見ると、明海はにこりと藍人に笑いかけた


「うふ♡」


 藍人は ”つまりコイツ助ける必要は無かったって事かぁ!!” と思い悔しがっているとふとある人物の顔が頭に浮かんだ


「ん?そう言えば先輩も助けようとしていたような・・・・」


 セコンド席に座る工藤先輩は変身を解いていて、アキバの説明を聞いてからか放心状態になっていた


「ちょっと気が付いてなかったんですか先輩!」


 工藤先輩は藍人の声で反応し目が合うと、可愛らしい仕草をしながらこう言い放った


「例え傷つく可能性が低くても、もしもの時の為に助けに行くのが魔法少女! 魔法少女はみんなを守る為に戦うのであって、戦う為に魔法少女なるのではないのだ! 救出優先☆」


 藍人はこみ上げた怒りをブチまけた


「男の姿でそんな仕草するな気色悪い!本当はメカの仕組みが良くわからなかっただけだろ機械音痴め! あぁ!助けた俺もあいつと同類なのかぁ!?くそぉー!!!」


 放った言葉がブーメランのように突き刺さり藍人は悶絶しながら、この事態を打破する案を探そうとしていた


「何か武器は無いのか!?遠距離武器!」


 藍人がそう考えると、目の前に立体映像ホログラムモニターが開いて、頭部に武器がある事をしめした


「あった!これだあ!」


 藍人は乗る機体の頭部の機銃を使って士道をけん制した


「パパパパパパパパパパン!」

「キュンッキュン!」


 だが装甲に弾かれ効果は無く、藍人は文句を言った


「威力低っ!? サブマシンガンかよ!」


 それを見てドクターアキバが解説席でぼやいた


「5.7x28mm軽量高速弾ではやはり同じアーマードマシンには通じないか。歩兵相手がいいとこだな」


「なにロボット相手に通じない武装を付けてんだ!試合じゃ無駄だろ! 対人兵器装備させてんのもなんかエグイしさ!」


 藍人がアキバに抗議する中、妄想に耽っていた明海は頬を赤くして語り掛けた


「そうよね、オカマ先輩言うのももっとも。愛する者が傷つくかもしれないと言うだけで思わず身体は動いてしまうものよね♡」


 藍人は士道の攻撃を避けながら明海に言う


「さっきからダーリンだの愛する者だの何なんだ! 会ったのは今朝ぶつかったのが始めただよね!? それとも前に会った? こっちは全然記憶にないんだけど!」


 藍人の問いに明海はもじもじしながら答えた


「それはですね一目惚れでッ・・・その…好きです♡」


「バキュン、バキュン…バキュン・・・」


 アドレナリンで銃声がゆっくり轟いていると感じる中、藍人の出した答えは・・・


「しるか!! 告白するなら時と場所を選べ! 今まさに撃たれながら好きですとか言われても怒りしかこみあげてこないんだけど!」


 明海は必死に反論した


「そんな! だって某有名海賊映画では群がる敵タコ海賊をバッタバッタ切り倒しながら結婚してキスする名シーンが!」


「例えが特殊過ぎるわ!!」


 明海はハッとした表情になってこう言った


「そうよね、非常事態で結ばれた関係は長続きないってセリフも別の映画でありましたし、ゆっくりお互いの事を知ってから改めて♡」


「冷静になってくれたのは良いんだけど、それも少しずれてないか? とりあえず怒鳴ってゴメン」


 とりあえず冷静になった二人だったが攻撃はまだ止まない。藍人は明海に言った


「取りあえず手を放して下りてくれないか? 大丈夫だって話だし」


「嫌です。私は最後までは生れませんからね!」


「平気と言われても流石に俺も人を空中に放り出すのも怖いしな。と、なると・・・・決着を早く突けるしかないよな!」


 藍人は士道に挑もうと機体の刀を構えた! その頃、里香はと言うと・・・・


「わーん! 二人が近すぎて撃てないよ!アイちゃんに当たっちゃう!! あー!アイちゃんが士道さんに接近しちゃった!!」


 照準を合わせたままオドオドしていた

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