第4話 女の戦い

 私は明海・花梨! 転校初日に曲がり角に出合った男子生徒にぶつかり夢の世界へ・・・。そして目が覚めたら彼のケツに指を突っ込んでいた


「ご、ごめんなさい! 私急いでるから!!」


 などと言って走って逃げたが通学路を思いっきりコースアウト!


「わ~ん!これで完璧に遅刻だよ~!!」


 でもこの胸のトキメキは間違いなく恋! 学校に付いたら彼を探し出してみせるわー♡


           ・

           ・

           ・


 なんとか学校にたどり着いた私、そして閉まった校門を飛び越え


「とう!」


 その際に足先が微妙に校門に触れてしまい


「あんぎゃああ!?」

   「バチバチビリバチン!」


 侵入者防止用の電気トラップが発動し私は倒れてしまった!


「ふぎゃ・・・ぁ・・・ガクリ」


 すると視界が急に暗くなり意識が・・・・ハッキリしてるのになんで? 何かの影に入ったとか?


「ようこそ当学園へ。明海・花梨さんですね?」


「は、はい!」


 先生らしき雰囲気の女性に話しかけられ、私は返事しながら飛び起きて正座した。すると先生が怖いかをして一言


「遅刻ですよ」


「すみません」


 取りあえず私は謝った。そして直ぐに先生は手を差し伸べて私を立たせてくれた


「教室まで案内します。ちょうどホームルームが始まる時間ですし少し急げば間に合うでしょう。ついて来なさい」


「は、はい!わかりました!」


 私は先生に言われるままついて行き、教室に向かった。校舎を歩く途中に私は思わず声をもらす


「ひろーい、ここなんか天井ガラス張りだし、おっきな植物まで植えてあってまるで温室みたい」


 私の言葉に先生は静かに警告した


「植物には近づかない様にしてください」


「え?」


 警告を聞いたと同時に近づき過ぎたのか植物の影から巨大なイチゴの様な物が飛び出してきて


「バクン!」


 大きく口を開いて私を噛もうとした


「うわあ!?」


 驚く私に先生は涼しい顔で言った


「この様な肉食植物が混じってますから」


「早く言ってくださいよ!」


「ふふふ、ごめんなさい。この植物は園芸部の生徒達が管理してるのですけど、こんな植物を混ぜて良くイタズラをするんです」


「イタズラ!? そもそもこんな植物地球上には存在しないでしょ! 宇宙か異世界から持って来たの!?」


「品種改良したらしいですよ」


「品種改良でこんなのできんの!?」


「ここはそう言う生徒の集まりですから」


 何でもない様に言う先生、ここは噂以上の魔窟の様だ。さすが魔修羅路学園。そして先生が思い出したかの様に有る木ながら私に注意した


「それと明海さん、今回の様に校門にを乗り越えるのは今回限りにしてくださいね! 今日は事情を知らない転校生が来ると言う事で万一の為に警備を最低限にしておきましたけど、また今回のような事をやったら自動機銃ターレットに蜂の巣にされますからね。遅刻し入れない時は学校に連絡する様に」


「は、はい!」


 ”怖っ!さすが魔修羅路学園!”


「もうすぐですよ」


 話している中にいつの間にか教室に近づいていた様だ


「あ~、あの人と同じクラスとかそんな運命的な事にならないかしら♡」


 私が漏らした言葉に先生が反応してしまった


「この学校にお知り合いが?」


「い、いえ。通学中に見かけた人だけなんですけど」


「ふふ、もしかして恋かしら?」


「いえッあの、そんなことは・・・」


 先生の言葉に照れて目をそらすと


「って!いたぁぁぁ!」


 彼が居た。大声を出してしまい先生に怒られてしまった


「明海さん!教室内に防弾ガラスと厚い壁で声が届かないとは言え静かにしてください!貴女の教室はここですよ」


「そこ!?隣の教室!?」


 そしてよく見ると綺麗な女性が立って挨拶をしていた


「あの女は!?」


「あの女? ああ御剣さんの事ですか。彼女もあなたと同じ転校生なんですよ。もしかしてお知り合いというのはあの方・・・」


 ”転校生! 私と同じ時期にッ!!!” と思いながら転校生を食い入るように見た


「そのポジションは私のはずなのにッッ、なぜ別の女が!」


「明海さん?」


 先生が何か言ってる様だがそんなもん耳に入らない。再び彼の方を見ようとしたら・・・、隣の女子が彼を覗き込むようにして見ていて顔が見えなかった


「そこのもっさりツインテール!邪魔よ!」


 彼女に退けと念じていると、彼女の抱いてる人形の首がぐるりと回り、私を睨みつけて来た


「お前じゃない! なに?私と張り合おうって言うの人形風情が!」


 そうして睨みつけていると私の願いが通じたのか彼の前に座る男子生徒が私を見て指差し彼に知らせてくれた。そしてやっとツインテが退いて彼と目が合った


「きゃ~♡ 多少の妨害があってもやっぱり運命で結ばれてるのね♡ 早速行動!」


「ガラララ」


 チャンスを逃す前に私は彼の居る教室に入った!

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