第3話 登場!噂の転校生

 俺の名は武藤・藍人!普通の高校生だ! 俺は登校中に曲がり角で菓子パン齧りながら走って来た女とぶつかり


「きゃ!」


「大丈夫か!?」


「ブスリ」


 介抱しようと接近したらケツを刺されてしまった! 寝ぼけてるにしてもピンポイントすぎるだろ。むしろワザとなのか?新手の痴女なのか?


「ご、ごめんなさい! 私急いでるから!!」


 そう言ってその痴女は走り去っていった


「ウチの学園の制服着てたけど。でもウチの生徒じゃないよな」


 彼女の走り去った方角は通学路から微妙にずれている。その事から俺はこう結論を出した


「近頃の変態は手が込んでいるよな。まさか学校の制服まで用意して油断させ男子生徒に痴漢を働くとは・・・後で先生に報告しよう」

 

 そして俺は学校まで少し急いで行った


「おはよ幸次」


 俺は教室に入り友人の”中村・幸次なかむら・こうじ”に挨拶した。その友人も俺の抱える荷物を見て嬉しそうに挨拶を返してくる


「おはようアイちゃん。おお、今日は弁当付きか!」


「焼きそばパンだよ。あとアイちゃん言うな」


 席に座りながら前の席に居る幸次に文句を言った


「良い愛称じゃん、怒んなよっと。パクリ」


 幸次はヘラヘラしながたパンが入った袋に手を突っ込み、包んでいるラップを少しほどいて、パンを千切ってひと口食べた


「おい、食うなよ」


「後で学食のオカズ分けてやるから怒んなって」


「それは嬉しいんだが、もう直ぐホームルームだぞ」


 俺の注意を聞かず幸次はまたひと口パンをちぎって食べやがった。俺まで怒られる事態は勘弁してくれ


「へーきへーき、まだ余裕あるって。モグ、ん~美味い! 料理上手のお母さんが居てうらやましいね」


「味は良いんだが…毎朝、この硬さだぞ」


 俺と幸次は話していると人が近づく気配がした


「ナカちゃん、アイちゃんおはよう」


 挨拶してきたこの女性、”御剣・里香みつるぎ・りか”は俺達の幼馴染だ。黒髪のツインテールでクリっとした可愛い目が長い前髪に少し隠れていて、手によく手入れされた人形が抱えている・・・・まあ髪の伸びる呪いのおフランス人形だが。大人しそうな雰囲気とは対象に意外と里香は怖いもの知らずなので、髪の伸びる人形は幼稚園の頃からの良い玩具になっている


「おはよ里香」


「おはようさんっすリカちゃん」


「カタ・・・・」


 俺と幸次が挨拶を返すと里香が笑顔を返す。すると人形の首も少し傾いて挨拶して来たような気がした。なんか呪いの人形と知っているせいか、妙に迫力を感じるんだよなぁ・・・


「おはようみんな!ホームルームを始めるから席に付け~」


 先生の声にクラスのみんながいっせいに席に着いた。里香も隣の席に急いで座る。教卓に立った先生は口を開くが


「今日は皆さんに・・・」


「殺し合いをしてもらいますですかかなめ先生!?」


 直ぐに幸次がちゃちゃを入れたが軽く流され、先生は本題に入った


「いいえ、転校生を紹介します」


 先生の言葉に教室がざわめく


「転校生?」

     「この時期に?」

  「どんな娘なんだろ」

    「女と決まったわけじゃ無いだろ」

「可愛いならどちらでも構わん!むしろ来い男の娘よ!」


 なんか不穏な言葉も聞こえてきた気がするが・・・。俺は朝の出来事を思い出し不安がよぎる


「転校生…まさかな」


 そして先生は廊下に居るであろう転校生を呼ぶ


「士道さん、皆さんに自己紹介を」


「はい」


 入って来た女性は、長い髪をなびかせ凛とした態度で教室に入って来る


士道・京香しどう・きょうかです。皆さんよろしくお願いします」


 転校生の自己紹介を皮切りに、教室の男子が騒ぎ始めた


「よっしゃ!」

     「綺麗な娘」

    「おお!好みかも」

       「そりゃよかったな」

 「今日も男の娘とは出会えなんだか・・・」


 そしてその中1人、俺は不安から解放されふっと肩の力が抜けた


「よかった。今朝のショッキングピンクじゃない」


「ショッキングピンク? それってさ・・・・」


 俺のぼやきに幸次が反応し、恐る恐る廊下の方を指さした


「もしかしてアレの事か藍人?」


「あ」


 そこには殺気を出しながらこちらを見つめるショッキングピンクが居た

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