2-2



「ああ、デナイの?」



ボクは首肯した。

瞬間、みぞおちに激痛が走り、ボクの身体は教室後方の個人ロッカーに打ち付けられてしまった。


おかしいな。さっきまで教室の真ん中、新城君の目の前にいたはずなのに。


ボクは内心で首をかしげながら、たのしそうにわらう新城君の口元を光の宿らないで眺めていた。

新城君が口角をあげながらボクに話しかけたとき、ボクは絶望を感じてしまった。


だって、彼のコエが聞こえたんだもの。


「ほんと、きもちわるいなぁ。お前。」


「何の音だ。」


「あ、おはよぉ....」



ああ、来てしまった。ボクの一番怖い人。



「...西河ぁ。」


「ああ、おはよう新城。ところで、今日はまたどうした。」


「ん~?今日あいつデナイ日らしいから一発入れただ~け。」


「そうか。今日はデナイのか。それは残念だよ、リオ。」



そう言ってニヤリと笑う西河君の顔なんて見れないまま、ボクは必死にうなずいた。












ああ、だからガッコウは嫌いだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る