2. ガッコウ


「(お母さん、おはよう。)」


あれ、まだコエガデナイヤ。

まあ、きっと大丈夫だよね。


お母さん、今日は始業式です。

ボクはとても憂鬱です。

ガッコウには特別かっこよくて、特別意地悪な西河にしかわ君がいます。|

だけど、強く生きるってお母さんと約束したので、いってきます。


おばさんたちに見つからないように、静かにあるきます。

おばさんのお家に来てから、ボクのご飯はみんなのあまりものになりました。

おばさん曰く、「邪魔な小僧に作るごはんなんかあるもんか」だそうです。


ボクはどうやら邪魔者になったみたいです。

お母さんが眠って二週間です。とってもとってもさみしいですが、ボクは元気です。




🔷




ガラガラ......



「おい、来たぞ。」


「おはよぉ~、リオちゃん。まってたよ。」


「(おはようございます。)」


ボクはコエがデナイので、しっかりお辞儀をした。

今話しかけてきたのは新城しんじょう君。

いつも西河君のそばにいる人。西河君がいないときはこの人にいじめられてしまう。

見渡す限りでは、西河君はまだ来ていないみたい。すこしほっとする。



「リーオーちゃーん?挨拶がお辞儀だけってどうなの?それっていいの?」



ボクは思いっきり首を横に振るが、デナイものはデナイのだ。



「ああ、デナイの?」

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