第4話
「ごめんね、マベル」
いやだ……
「私は弱いから耐えられない。
私はいい人じゃないから……
あなたを……自分の身を削ってまで守ろうとは思えない」
いやだ、いやだ!
「ダメな母親でごめんね」
なんで?!
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
──────────
だれかの声で目が覚めた。
まるでうなされているような、そんな叫び声をきいたせいか少し気分がよくない。
何も支障がないことを祈りつつ、ふと、集合時間も何も聞いていないことを思い出した。
まずは今の時間を確認しようとするも時計らしきものすら見つからない……
「おう、起きろ!」
なるほど、副隊長様が起こしてくれるということか。
どうやらちょうどいいタイミングで起きたようだ。
「すぐに出陣だ。顔洗ってこい」
『わかりました』
俺のココでの初陣。その時が迫っている。
鏡を見ると、いつにも増して顔色の悪い自分が映っていた。
あぁ、そうか。
先ほどの叫び声は自分のものだったったのか。
それなら、気分が悪いことにも納得がいく。
さて、のんびりしている場合ではない。
遅れたりして、下手に目立つのはあまりよくない。
俺は、自分の部屋を後にした。
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