第3話

起きて少し歩いて見ると、食堂らしき場所に出た。


「あいつ新入りか?」


「さっき、隊長に担がれて入ってきた奴だ。けがは?治ったのか?」


ヒソヒソ言っているのが聞こえるが気にしない。

とりあえず、周りを見渡し、何をしたらいいのか教えてくれそうな人を……


「おい、お前が新入りのマベルとかいうやつか?」


『そうですが。何でしょうか』


「俺はお前の所属する23番隊の副隊長だ。さっさと死んだりするなよ。

 俺ァ名前を覚えるのが嫌いなんだ。めんどくさい。まぁ、よくわかんねぇ番号よりはましだがな」


だそうだ。俺も正直名前などどうでもいい。由来もわすれた。ちなみに、番号も覚えていない。

だが、一体副隊長様が俺に何のようなのだ。


「何をしたらいいか分からんだろう。

 おめぇに、部屋と武器を与えてやる。感謝しろ」


『ありがとうございます』


これは、ありがたい。

部屋と武器があればたいていのことは何とかなりそうだ。

が、与えられた武器はボロボロの剣だった。


「きれいな剣がもらえると思ったか?はっ残念だったな。ボロボロだがちゃんと使えるはずだ。ここでは武器は使い回しだからな。大切にしろ」


『はい』


もともと期待などしていない。貰えただけましだ。最悪、拾ってこいとか、敵から盗れと言われることも想定していた。そこまでではなかった。

使いまわし……といったか。おそらく前に使っていた人は死んだのだろう。


「部屋はさっきまで寝てた部屋だ。わかるな?」


なるほど。あそこは俺の部屋だったのか。てっきり医務室か何かかと。


『あっはい』


「お前も明日から前線だ。体を休めておけ」


『はい』


そういうと副隊長様は去って行った。

特にすることもないのでおとなしく眠りにつくことにした。

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