いらっしゃいませ、当店で不良をご注文ですか?

ちびまるフォイ

ご注文の不良はお決まりですか?

「いらっしゃいませ、店内で暴力ですか?

 それともテイクアウトですか?」


「店内でお願いします」


「ご注文の不良はどれにしますか?」


店員はカウンターにあるメニュー表を示した。

メニュー表にはさまざまなタイプの不良がいる。


・ヤンキー型

 -古き良き日本の伝統不良。当店のスタンダード


・病み不良

 -「怒らせると怖い」タイプのドスの聞いた不良。ボスにぴったり!


・狂人不良

 -凶暴で予測不能な行動をする不良。ツウなあなたに



「まぁ、スタンダードで」


「かしこまりました。スタンダードで。

 トッピングはいかがしますか?」


「シルバーアクセサリーつき、

 顔はタイプ3のやんかコラァハンドトスででお願いします」


「かしこまりました」


店員はすばやく注文を入力していく。


「ご一緒に、子分はいかがですか?」


「あ、お願いします」


「サイズはS・M・Lから選べますが」


「メインがかげっちゃうといけないから、Mで」


「かしこまりました。マゾで」


「マゾって意味なの!?」


店員はすばやく入力を済ませる。


「お召し物はいかがしますか?」


「金髪ジャージで」


「サイズはS・M・Lから選べますが」


「Lでお願いします」


「かしこまりました。ロリコンで」


「服装の話だよね!?」


店員は入力をすませて手を止める。


「これでしたら、テンプレよくばりセットにすると

 お値段お安くなりますが、いかがしますか?」


「そうなんですね。じゃあお願いします」


「今はサービス期間中で、セットにヒロインをお付けします。

 ご希望のヒロインは?」


「ツインテ巨乳で」


「かしこまりました。こちらの番号札を持って、

 路地裏でお待ちください」


店員から渡されたレシートを持って店内の路地裏で待機していた。



ピロリピロリピロリ♪



「おっ、そろそろかな」


調理場から軽快な電子メロディーが聞こえてきた。

空中にホログラフで自分の番号が表示される。


893


路地裏にヒロインと不良が到着した。


「へっへっへ、かわいい顔してるじゃねぇか。

 そんなだらしない服装して、誘ってるのか?」


「やめてください! やめてください!」


いつ助けてくれるのかと、こちらをチラチラ見ている。

すぐに向かった。



店のカウンターに。


「いらっしゃいませ。店内で暴力ですか? テイクアウ――。

 あれ? 先ほどのお客様。なにか御用ですか?」


「おい! どういうことだ!! 注文と違うじゃないか!」


「いえ、金髪ジャージのスタンダード不良と

 ツインテ巨乳のヒロインをちゃんとお届けしましたよ?」


店員の注文は間違っていなかった。




「なんでいじめてるのがヒロインで、

 いじめられているのが不良になってるんだよーー!!」


店員は無料サービスのスマイルでごまかした。

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