第21話 シロハマグマリ女

「なんだあ? ひとり見慣れない新顔ルーキーがいるようだね」

 話し声に気がついたシロハマグマリ女が俺と博士に視線を向けた。

「チート火力のドリルブルー・ゴリブラック、そしてブレインであるウータングリーンを潰せばサルレンジャーなど恐れるに足りん! おまえたち、地獄を見せておやり!」

「キーッ」

 雰囲気にのまれてハイエースの陰からのこのこ出てきた俺を、にわかに活気づいた戦闘兵たちが包囲する。

「キーッ!」

 戦闘兵のひとりが俺の右足にローキック。なすすべなく地面に倒される俺。そのままわらわらと団子状に囲まれ、ふんだり蹴ったりの集団リンチを受ける。

「ファッ!?」

「ああっあいつめ、回路未起動で飛び出しおって……」

 遠くから博士の声。強化スーツによってダメージは軽減されているものの、十人がかりで蹴られたらさすがに痛い。いや、めちゃくちゃ痛い。

「あ、あいつらこんなヤツらと戦ってたのかよ……っ!」

 同い年の高校生なら七、八人はまとめてなぎ倒せる俺ですら手も足も出ない。“悪の組織”なんて空想科学映画だけの話だけかとあなどっていたが、よく考えたら凶悪非道なテロ集団じゃないか。俺はいいように足蹴にされながら頭を抱えた。

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