第74話 文化祭実行委員
一年B組のホームルーム中。突然、担任の大和田の口から放たれた言葉は一年B組全員を震撼させた。
なぜなら、今後一切縁がないと思っていたものが突然できるようになったのだから。
「今年から文化祭や体育祭といった行事を行うこととなった」
大和田は腕を組みながら淡々と言ったため、クラスの全員は少し反応が遅れる。
しかし、山びこのように何度も反響したその言葉を全員がぐっと噛み締め、内側からふつふつと爆発するような感情が全員から吹き出す。
「よっしゃああああ!!ついに来たー!!」
「いつか来るとは思ってたけど、まさか今年からとはー!!」
それぞれがそれぞれで喜びの声を上げた。
しかし、その歓声を大和田は瞬時にとめた。そして、
「それでまずは文化祭からなんだが、実行委員を決めてもらう。一応男子一名、女子一名の予定だ。誰かやりたい奴はいるか?」
と言った。
実行委員という仕事。積極性が強い者が多いこの一年B組にとって誰もがやりたい仕事。しかし、瞬時に手を挙げる者はいなかった。
初めての試みであるからだろう。皆少し躊躇をする、ある女子生徒と男子生徒を抜けば。
「俺やりてー!!」
「私やってみたい!!」
瞬時に手をあげたのはトムと祐子だった。この二人の心境はほぼ一緒だった。
(なんとなく面白そうだから!)
「お前ら二人で決定な。それで早速だが、文化祭の内容を決めてほしい。お前らで話し合ってしっかりと決めろ。いいな?」
「「はーい」」
大和田のその言葉にトムと祐子だけではなく、クラス全員が気だるげそうに返事をした。
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