第67話 祝勝会前

いつもの4人は電車に乗り、ある場所から帰っていた。


「陸斗の祝勝会の意味も込めて、映画見に行くかー!!」


「それ会になってねぇーじゃん」


そう、陸斗は会科高校のサッカー部の横瀬に頼まれ、サッカーの練習試合に代役として出た。その試合でハットトリックという偉業を収め、改めて陸斗にはサッカーの才能に溢れているということが目の当たりにされた。


「陸斗ー、どこ行きたい?」


トムは能天気な口調で陸斗に聞き、話を終わらせないようにする。


「居酒屋」


「まじかよ!!俺ら行けなくは無いけど完全に浮くよ!!」


陸斗の軽いボケに将悟が突っ込む。しかし、どちらも少し楽しんでいるようだ。


「なら、カラオケとか行こうぜ」


「なんでだよ。俺らにとってはカラオケはストレス発散のためにあるんだよ。そして、ストレス発散したいのお前だけだろ」


大和はその試合の会場に行く時に財布を落としてしまったのだ。なので、やけくそでカラオケとかに行きたかったのだろうが、将悟によって阻まれる結果となった。そして、これが少し前から引っ張っていた悲劇。


「そーゆーお前はどこがいいと思うんだよ!!」


大和は不意にストレスが外に飛び出したかのように、将悟に聞く。将悟は何も案を考えていなかったが、そういう時だけの頭の回転速度は尋常では無い。


「じゃあ、ボーリング!!」


「お前も似たようなもんじゃんかぁあああ!!」


大和の怒号が近所迷惑程度に響き渡り、やまびこみたいにしばらく声が反響していた。結局、その後ボーリングに行くこととなった。

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